第⑧位 「伝説巨神イデオン」
惑星を真っ二つに切断したイデオン!
きゃは!
Qちゃん、
画像が「EDION」になっているわよ!
あっ、いっけねぇ~! テヘペロ
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えっ、そんなすごいことをやったのに、⑧位なの?と
驚く読者も多かろう。そうなのだ。
これがマンガやアニメや特撮の、恐ろしいトコロだ。
伝説巨神イデオンは、遺跡から発掘された巨大人型メカで、
全高105m、重量5650t 、ユウキ・コスモが操縦する。ある戦いで、
敵の艦隊は、イデオンから見ると、惑星の裏側にいた。
それを知ったユウキは、イデオンの両手から
発射される「イデオンソード」で、惑星を真っ二つに
切ると同時に、敵艦隊を全滅させたのだ。
かかった時間を計ると、わずかに1分30秒!
いうまでもないけど、これは大変な話だ。
惑星を切断するには、イデオンソードがあたった
場所を溶かすだけでは不十分。その向こう側に
までイデオンソードを到達させるために、
あたった部分を蒸発させなければならない。
イデオンの体と比べると、イデオンソードは、幅10mほど。
その惑星の大きさと密度が地球と同じなら、
イデオンソードは、103兆t の岩石を蒸発させた
ことになる...。
岩石1t を蒸発させるには、500億ジュール
ぐらいの熱エネルギーが必要だ。すると、
イデオンソードが放ったエネルギーは、数字で書くと
5200000000000000000000000ジュール!
第⑧位のエネルギーで、これほどのケタだから、
いちいちこういう表記をしているとたいへん
なことになる。科学の世界では、このような場合、
「5.2☓10の24乗」と表記する。本稿でも、
以降は、これを使うことにいたします。
そんなわけで、結論。伝説巨神イデオンが
出したエネルギーは、5.2☓10の24乗ジュール。
全世界で、1年間消費されているエネルギーが
4.5☓10の20乗ジュールだから、イデオンは
世界の人々が、1万年暮らせるほどのエネルギーを
1分30秒で放出したわけだ。
本当に、すごい!
それでも、⑧位...。
備考:この内容は、
2016-3-25
発行:(株)KADOKAWA
著者:柳田理科雄
「空想科学読本 17」
より紹介しました。