布施英利「君は”最後の晩餐”を知っているか」...その2 | Q太郎のブログ

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パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院 に対する画像結果

 

 

 「最後の晩餐」は、イタリアの北の町、ミラノにある。「サンタ・

 

マリア・デッレ・グラツィエ修道院」の食堂の壁画として、

 

15世紀末に描かれた。

 

高さ4.2m、幅9.1mもある巨大な絵だ。

 

 

 

 まず目に入るのは、白いテーブルクロスの掛かった食卓、

 

そして食卓の向こうにいる 13人の男。まるで芝居の幕が

 

開いて、舞台の上でドラマが始まったかのようだ。

 

 

 

 机の上には、パンや魚の料理が載った皿、それに飲み物の入ったコップが

 

ある。食事の光景らしいが、誰も飲食をしていない。ある男は

 

両手を広げ、別の男は視線を中央の人物に向けている。

 

 

 

 なぜ、誰も食事をしていないのか? それに落ち着き払った

 

中央の人物と、その周りで動揺している男たちは誰なのか?

 

 

 

まずは、そんなふうに絵を「読む」ことから分析を始める

 

のもよい。

 

 

 

 

 

 

 

最後の晩餐 に対する画像結果

 

 

 

 人物は、3人ずつのグループと、中央の人物というふうに分けて見ることも出来る。

 

中央の人物が何か言っている。その言葉が、人々の動揺を誘い、ざわめきが広がる。

 

 

 

 静かな水面に小石を投げると丸い水紋が広がるように、隣りの人物へ、さらに

 

隣りの人物へと、動揺が伝わる。 何かが、起こっている。

 

この絵の人物の構図から、そんなことが感じられる・・・。

 

 

 

 中央にいるのがキリストである。

 

彼は、弟子の1人に裏切られ、やがて磔(はりつけ)になる。

 

ここに描かれている場面は、裏切りが有る、という矛盾を耳にした弟子たちが驚き、

 

ざわめいているところだ。

 

明日、キリストは磔刑になる。

 

だから、これが「最後の晩餐」なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

最後の晩餐おもしろ に対する画像結果

 

 

 

 弟子たちの動揺は、手のポーズにも表れている。

 

たくさんの手が描かれているが、試しに、

 

その1つ1つのポーズを、君も真似てみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 手のポーズは、心の動きを表すが、ここには、

 

いろいろな手があり、いろいろな心の動きがある。

 

驚き、失意、怒り、あきらめ・・・。

 

まるで、手のポーズの見本帳である。

 

それは、手に託された心の動きの見本帳でもある。

 

 

 

 

 

 レオナルドは、どうしてこんなにもうまく、いろいろな手を描くことができたのだろうか?

 

実は、彼は人体の解剖を通して骨格や筋肉の研究をし、人の体が、どのような仕組みで、

 

出来ているのかを知り尽くしていた。だから、手だけでなく、

 

顔の表情や要望も、1人ひとりの心の内部までも、

 

えぐるように描くことが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

最後の晩餐 に対する画像結果

 

 

 

 さらに注目してほしいのは、ここに描かれている

 

室内の壁や天井だ。壁のタピスリーや天井の

 

格子模様を見てみよう。壁がだんだん狭くなって、タピスリーも奥にいくほど小さくなる。

 

これが遠近法だ。レオナルドは、絵画の遠近法を探求し、それを、この絵で完成させた。

 

この絵には、遠くのものは小さく見えるという、遠近法の原理が使われている。

 

 

 

室内の空間を、遠くに行くに連れて小さく描くことで、

 

部屋に奥行きが感じられるようになる・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の晩餐おもしろ に対する画像結果

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

平成27-2-5

発行:光村図書出版

著者:布施英利

「国語 2」

より紹介しました。