ホームビデオは、βとVHSに分かれ
ているが、互換性はあるか? また、
2方式は、どこが違いのか?
★ 現在(昭和55年)、日本の
メーカーが作っているホームビデオは、
<VHS方式><β方式>
が主流で、この2方式が市場を2分
していると言って差し支えないでしょう。
この2方式の間に、互換性は
ありません。使用しているテープは、ともに
1/2インチ幅のものですが、それを収納
したカセットハーフの大きさも違い
ますし、テープ速度、ビデオトラック幅、
角度など微妙に異なります。
映像や音声の記録の方法などに
ついての基本は、どちらの方式でも
かまいません。映像は、回転式の2個のヘッドを
用いて、ビデオテープのビデオ
トラック上に斜めに記録されて行きます。
昔のVTRでは、ビデオトラックと
ビデオトラックの間に、クロストーク防止
のためのガードバンド(記録されない
帯の部分)がありましたが、VHS、
βともに、このガードバンドはありません。
これは、<傾斜アジマス記録方式>
を採用しているからです。2個の
ヘッドに反対方向の角度を持たせ、ヘッド
が、ビデオトラックからズレ、一部が
隣りのトラックの上をたどっても、
クロストークをほとんど生じない方式です。
ガードバンドがない分だけ高密度の
記録が出来るわけです。
VHSとβでは、
このヘッドの角度が異なります。
音声は、VHS、βとも、固定ヘッドで
記録/再生します。ノイズリダクション付きの
テープデッキもありますが、
ノイズリダクションの特性は異なります。
VHSグループは、ドルビーβタイプと、
互換性のある特性。
βグループは、BNR(ベータノイズリダクション)
と呼ばれる特性を採用しています。
どちらの方式も、カセットハーフから
テープを引き出し、回転ヘッドに
巻きつける方法をとっていますが、
テープの<ローディング方法>が、VHSとβでは
異なります。
VHSではテープが
M字形に巻きつくところから<Mローディング>、
βはU字形に巻き付くところから
<Uローディング>と呼ばれています。
一時は、Uローディングの方が、
ピクチャーサーチをやりやすいと
言われたことがありますが、最近では
MローディングのVHSにも、ピクチャーサーチは
採用されるようになっています・・・。
備考:この内容は、
昭和55-7-31
発行:音楽の友社
編集発行人:浅香淳
「オーディオ基礎知識」
より紹介しました。