(質問)
しつけのプロに学ぼうと 考えていますが、
欧米スタイルとか、イギリス式とか、
いろいろな方法があるようです。
その違いは何でしょうか?
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(回答)
代表は、スクール設立当初、アメリカ人のトレーナーに学んだから、
「欧米式」って、うたってたんだって・・・。
だけど、現在は「欧米式」とは、言ってないぞ。
心理学や、脳科学なんかの
科学的な学習理論を取り入れるように
なったからだ。
かつての、イヌのトレーニングってのは、科学的なものじゃなかった
んだって。
「理屈なんてどうだっていい。
こうやれば、こうなるんだ」って
いう経験に基づく方法だったわけ。
これは、軍用犬や警察犬のトレーニング
なんかで、培われてきたものだ。
その後、80年代に入ると、欧米では、「行動学」っていうのに基づいた
トレーニング方法ってのが生まれた。それが、日本に輸入されたのが90年代。
代表は、この時期に、イヌのトレーニングを学び始めた。
当時、日本のトレーニングは、欧米に比べて、10年は遅れてるって言われてた。
飼い主が、イヌのリーダーになれば従順になるっていう
「アルファシンドローム」なんかが、海外から入ってきて、
広まっていったのも、この時代だ。
だけど、2000年代に入ると、トレーニング理論の基軸が、行動学
から、学習心理っていう、より科学的なものへと移り変わってきた。
インターネットってやつの普及と相まって、その最新情報が時間差なく日本に
入るようになった・・・。
つまり、現在のトレーニングの基本となる方法論は、「学習心理学」が、
ベースってこと。学習心理学は科学だ。科学は万国共通だから、そうした
理論に基づいたトレーニング方法なら、国による違いなんて無いんだ。
もし、違いがあるとしたら、それは、トレーニング・スタイルじゃなくて、
その教える内容、ルール、マナーなんかの違いさ。
たとえば、欧米先進諸国では、公園などでは、ノーリードが、許されてる
ことが多い。だから、そういう所の多くでは、ノーリードを前提にした
トレーニングをするわけよ。
だけど、日本では、基本的にリードを付けるってことが、義務付けられてる。
日本のイヌに必要なのは、ノーリードで、お散歩出来るためのトレーニング
ではなく、リードを付けていても楽しめる、お散歩のトレーニングって
ことなのさ。
「ノーリードの、お散歩を目指します」
これをキャッチフレーズにしてるトレーナーが、日本でもいるみたい
だけど、それってルール違反を教えますって、言ってるようなもの。
そんなのに、騙されちゃいけないぞ!
ルールやマナーの違いはあれど、海外のちゃんとしたトレーナーや
インストラクターの話を聞くと、その考え方やトレーニング方法に、国の違い
などは、ほとんどない。
現代において、ドイツ式、イギリス式、オーストラリア流とか、うたって
るなら、それは、古い方法論を用いている。あるいは、ルールやマナー面で
日本に、そぐわない内容だって名言してるんじゃないかって、おいらは
思うわけ・・・。
○○式とかの、言葉には惑わされず、学習理論に基づく科学的な
トレーニング方法をしてるかどうか?
トレーナーやインストラクター、しつけ教室を
選ぶ際には、
そこを判断基準にしておくれってことさ・・・。
備考:この内容は、
2011-4-20
発行:成美堂出版
著者:西川文ニ
「もしも、うちのワンちゃんが話せたら・・・」
より紹介しました。