日本の気象庁は、台風の名前に
番号をつけていますが、
アメリカでは、人の名前をつけて
います。
戦後、アメリカ占領中に
日本に来た台風には、「ジェーン台風」
とか、「カスリーン台風」
とか、いった女性の名前が
つけられてました。
この頃には、台風に、
女性の名前しか つけなかったのです。
ところが、
「これは、女性差別だ」という声が出て、
今では、男女の名前が交互につけられる
ことになっています。
名前は、アルファベット順です。
たとえば、Aで、始まる「アンジェラ」
という女性名の次は、
Bの
「ブライアン」という男性名です。
自分と同じ名前の台風が
大きな被害を出したら、いやな
気持ちになる人がいるんだろうなあ、
と、日本人の私は思うのですが、
アメリカでは、大丈夫なの
でしょうか?
一方、台風の影響を受ける
東アジアの14の国と地域は、
2000年から、共通の名前を順番に
つけています。
名前は、持ち回りで、
最初に発生した台風には
カンボジアの名前、2番目の
台風には、中国の名前、というわけです。
日本の名前は5番目です。
14の国と地域が、それぞれ
10個ずつ、計140個の名前を準備
することになっています。
日本は、星座の名前をつけます。
「てんびん」や「やぎ」
「うさぎ」などの名前です。
韓国は、
「つばめ」、「たぬき」などの動物
の名前、香港は「ヤンヤン」や
「サンサン」などの女性の名前、
中国は、孫悟空にちなんだ
「悟空」などです。
ただ、これは、
東アジア各国が、共通に使う名前で、
日本国内では、これまで通り、
1号、2号と、番号で呼ぶ
そうです。
「台風やぎが接近中」
という台風情報では、なんとなく
緊迫感が、伝わってきません
からね・・・。
備考:この内容は、
2010-11-21
発行:集英社
著者:池上彰
「これが 週刊こどもニュースだ」
より紹介しました。