【怒りが 満タンになって爆発する ”スタンプカードの法則”】
僕たちは、心の中に「スタンプカード」を持っています。
そして、「自分の思いや、言えなかったことを、飲み込んだ回数」を、
数えているのです。
たとえば、同僚に対して、何か言いたいことがあったとします。
でも、「傷つけるかも?」「笑われるかも?」「怒らせるかも?」「ケンカしたくない」
などの理由で、飲み込みます。
言うより、言わないほうが、自分は傷つきません。
すると、そこから、スタンプカードが、始まります。
言いたい言葉を、1つ飲み込んだことで、1つスタンプを押したのです。
スタンプカードをもらったら、
なんとなく、ためしたくなりますよね。
だから、1つメのスタンプを押した瞬間から、
スタンプをためようとして、
相手を「観察・監視」し始めるのです。
「また、ヤルんじゃないか?」と、見張り始めるのです。
そして、相手が、また、
似たようなことをしたら、すかさず、
「ほら、またやったわ」
と、スタンプを押します。
これを「偏見」と言います。
スタンプを、押し始めた段階で、相手のことを「偏見」で見始めます。
つまり、相手が、「何をやっても、そう見える」のです。
その時点から、「事実がゆがみ始める」のです。
もう、その人の何を見ても、悪いように見え始める・・・。
そして、スタンプを押すたびに「ほら、ほら」と言いながら、
「悪いところ探し」
を続けていきます。
スタンプが溜まってくると、イライラしたり、
無口になって、態度だけで、
表そうとします。
スタンプカードには、景品が、つきものです。スタンプカードに、最後の1つが
押された時点で、満タンになると、何かをもらえたり、金券が使えます。
心のスタンプカードが、満タンになると、どうなりますか?
「キレる」「爆発する」のです。
「もう、ガマンできない」という、セリフとともに・・・。
いったん、キレると、過去にためたスタンプまで、流れ出して来ますので、
なかなか収まりません。
つまり、キレた方には、キレるだけの「たくさんの理由」が、あるのです。
でも、キレられたほうには、それは、わかりません。
「なんで? そんなことぐらいで、キレるの?」となります。
それは、キレた人は、キレるまで、
その理由を言いたくないので、言わないから
です。
満タンになってキレたときに、キレた理由、つまり、過去のいろんな積み重ね
てきた不満を言われても、どうしようもないです。
「だったら、そのときに言ってよ」ということになります。
考えてみると、最初のスタンプを押した理由は、
「傷付けるかも?」
「笑われるかも?」
「怒らせるかも?」
「ケンカしたくない」
という、言わない側の、
「自分の都合」だったはずなんです。
しかし、それを、認めたくないし、かっこ悪くて言いたくもないので、
いつの間にか、
「あなたのために、ガマンしたのよ」と、
中身をすり替えてしまうのです。
つまり、スタンプを押し続けることで、いつの間にか
自分を「被害者」に、
相手を「加害者」に、仕立て上げていたのです。
スタンプを押し始めたのは、
あなたが、「言わなかった」からなのに・・・。
これ以上、スタンプを、ためないために、
大切なことは、思ったことを、思い切って
伝えてみること。
伝えるときに、気をつけないといけないのは、
「相手を指摘・攻撃しないこと」
ということ。
相手を攻撃する時、
「あなたは、おかしい」
「あなたの言動に腹が立つ」
と、伝えるのは、攻撃です。
これは、本音では、ありません。
相手に思っていることを、伝えるときは、「私は、こういう理由で、腹が立った。
なぜなら・・・」と、
自分が、何かに勝手に期待していた。
その期待を叶えて
もらえなかった、という本当の気持ちだけを伝えることです。
そして、大切なのは、それを、伝えたあとの、相手の行動に期待しないこと。
相手には、相手の都合と、考え方があるのです。
「自分が、本当は、どうしてほしかったのか?」をただ、
伝えるだけ。
「認めてほしかった」
「優しくしてほしかった」
「大切にして、欲しかった」
そんなことも、心がけて、みてくださいね・・・。
備考:この内容は、
2011-2-2
発行:(株)中経出版
著者:心屋仁之助
「人間関係が”しんどい!”
と思ったら読む本」
より紹介しました。