母の反撃... | Q太郎のブログ

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母と息子[28174007436]の写真素材・イラスト素材|アマナイメージズ

 

 

【母の反撃】

 

 

 僕は、あまりにも独善的な、ご都合主義だったのかも

 

しれない。自他ともに認める、わがままな僕が、自分の身勝手さ

 

を、反省するに至ったのは、不用意な一言から起こった家庭

 

内での、事件がきっかけだった。

 

 

 

 ずっと、専業主婦だった母は、この春からパートに出る

 

ようになった。朝8時前に出勤する早番の日と、帰宅が夜の

 

7時半を過ぎる遅番の日が、週に1度ずつある。その日、

 

夜の7時半に帰宅した母に対して僕は、

 

「今日の夕飯は何?」

 

と聞いた。

 

 

 

それも、ゲームをしていた僕は、母の顔も見ずに、

 

背中超しに言ったのだ。母が、何の返事も

 

しないので、聞こえなかったのだと思い、もう1度、

 

同じ言葉を投げかけたが、全く無視された。

 

なぜ?母の

 

機嫌が悪いのか、心当たりのない僕は、兄たちに、そのことを話してみた。ゲーム テレビ

 

 

 

「ふ~ん・・・」

 

 

と言っただけ。ゲームをしていた次兄も、

 

 

「そうか、機嫌が悪いのか?」

 

と、気に止める風でもない。

 

 

 

 その日の夕食時、父と僕たち兄弟3人が、食べながら、

 

テレビに夢中になっていると、

 

母がなにやら独り言を、

 

言っているのに気づいた。それは、まるで、ぶつぶつと、

 

呪文を唱えているかのようであった。

 

 

 

「お母さんはさ、どうせ、たかが3~4時間のパートに行ってるだけだけど、

 

毎朝、お弁当を3つ作って、朝食を出した

 

ら片付けて、洗濯も、掃除も、夕食の支度も、何1つ変わらず、

 

当たり前に負担してるわけよね。日曜日なんて、

 

ただ、名前が変わっただけで、何の意味も無いのよ。お父さんは、

 

日曜日は休日で、子どもたちも、土・日は休日

 

で、好きなことをしてるのに、お母さんが帰ってきても、夕ごはんの心配

 

しかしないのよね。お母さんは、みんなのご飯係なわけ?」お母さん あせる

 

 

 

そう言って、母は、大きなため息で、話をやめた。テレビから目を

 

話さずに、長兄は言った。

 

 

 

「共働きの家は、どこでも、そうなんじゃないんかい? そういうの

 

が、母親だよ」

 

 

 

 翌日、テーブルの上には、冷めた朝ごはんが、並んでいた。我が家

 

の朝食は、それぞれが、出かける時刻を考えて食べるので、家族

 

全員が、そろうことはなく、リレー方式で、食卓につく。父、次兄、僕、

 

長兄、母の順に、朝食を取るが、母は、そのたびに調理していたので、

 

熱いものは、熱い状態で食べるのが、当たり前だった。寿司 お団子 骨

 

 

 

しかし、その日の朝は、

 

冷めた朝食が、僕たち男3人

 

を、あざ笑うかのように、食卓に並んでいた。

 

 

 

どうやら、母は、反撃に出たらしい。

 

 

 

 

 

寝起きドッキリ】寝てる相方にバズーカ撃ってみた! - YouTube

 

 

 ”当たり前” 温かいご飯も、「いってらっしゃい。気をつけて」の言葉も、

 

汚れた服の洗濯も、部屋の

 

掃除も、布団干しも、風呂掃除も、食器を洗うのも、塾の送迎も・・・。

 

これらが、全部当たり前だとしたら、

 

母は、一体、いくつの当たり前を、背負っていたのだろうか?キョロキョロ 滝汗あせる

 

 

 

 

 

 次の日曜日。母は、風呂掃除をしていて、足を滑らせ浴槽に落下、

 

朝から左腕を、打撲してしまった。その

 

アザになった腕に、シップを貼って、食器洗いに取り掛かる。宇宙人くんあせる

 

 

 

 すると、悪いことは、重なるもので、今度は、炊事用

 

のゴム手袋に、潜んでいた、ムカデに指を刺されるというアクシデント

 

に見舞われた。宇宙人しっぽ宇宙人からだ宇宙人あたま

 

 

 

 刺された指先に薬を縫って、給食の白衣

 

にアイロンがけをすれば、アイロンが倒れて手首をやけど。メラメラ

 

それでも、母は、次々と家事をこなして行く。いつもなら、

 

 

「ドジだなぁ・・・」笑い泣き

 

 

と、笑い飛ばすところだけれど、僕は、掛ける言葉が見つからず、

 

台所に、標本のように置かれたままの、ムカデの○骸を見ていた。  宇宙人あたま 目

 

 

 

 僕は、僕なりに反省していたが、父も母の反撃を受けて以来、

 

考えを巡らしていたらしい。ある日、父は、僕たち3人を

 

集めて提案をした。おじいちゃん 赤ちゃん パック 歩く

 

 

 

 

 

 母にだけ、家事を押し付けるのではなく、皆で

 

協力しよう、という提案であった。朝、風呂に入る兄2人は、

 

風呂掃除を、父は食事の後の、後片付けを、僕には、風呂を沸かすと

 

いう役割が与えられた。エプロンTシャツセータースカートデニム

 

 

 

 そして、全員が、自分の洗濯物は、

 

自分でたたみ、収納することになった。これで、少しは、

 

母の”当たり前”が、軽くなっただろうか?恐竜くんハッ

 

 


 家族が、協力しあってこそ、

 

みんなが、気持ちよく生活できることに、

 

僕たちは、やっと気づいたのだった。僕は、僕の当たり前を、

 

背負う覚悟を決めた。

 

 

 

 もう、母親が、家事をやるのは当たり前、などと思って

 

はいない。男も女もなく、家族の、それぞれが、出来ること

 

を行い、感謝の気持ちを忘れずに生活したい。そして、

 

母が、仕事から帰ってきた時は、気持ちよく大きな声で、

 

 

「おかえりなさい!」

 

 

 

と、言葉をかけた挙げたい。たとえ、どんなに腹ペコで、

 

母が作る美味しい、夕ご飯が、気にかかっていても、だ・・・。

 

 

 

 

〈「第26回全国中学生人権作文コンテスト入賞作文集」

(周東穀作・法務省人権擁護局)による〉

 

 

 

 

備考:この内容は、

2015年

印刷:図書印刷株式会社

編集:○△県小中学校校長会

発行:♧♤県教育振興会

「道徳 明るい人生 2年」

より紹介しました。