【 経験したことは、すべて”宝”...】
お坊さんと言うと、”特別な人”というイメージを、
持っている方も少なからずいる
のでは?
友人たちと話しているときでさえ、私が何か言うと、
”僧侶の言葉”として、受け取
られることが、よくあります。
でも、お坊さんでも、私達、世俗(俗世間、世の中)で、
生きている者にとっては、普段
の生活の中での、さまざまな経験が、学びとなるのです。
どんな立場、職業についている人でも、それぞれに、
過去があります。輝かしい栄光が
ある人もいれば、大きな挫折や、失敗を繰り返し、
暗い過去を背負っている人もいるでしょう。
でも、栄光でも挫折でも、あなたが経験したことは
すべて、”宝”。経験から、きっと、
多くのことを学んでいるはずです。過去を暗く引きずるのではなく、
そこから転じていくこと。
”今”のあなたは、突然できたわけではありません。
これまでのあなたが、何を学び、何を
考えてきたかと、いうことで決まるのですね・・・。
備考:この内容は、2016-6-6
発行:PHP研究所
著者:川村妙慶
「あなたは、あなたのままでいい」
より紹介しました。
【私、川村妙慶のこと・・・】
私は、福岡県の門司港で生まれました。西蓮寺というお寺が、私の実家で、父が住職でした。
高校生のときに、父が突然亡くなり、将来について母、兄と3人で、途方にくれていました。
母に、「京都で、仏教を学んで欲しい」と、言われたのですが、仏教を学ぶなんて、ダサイと
思いつつ、なにか役に立つだろうとも思い、仏教と関係のある華道の短期大学に進学しました。
そして、卒業後に、はじめて僧侶になろうかな・・・と、思うようになりました。
その後は、東本願寺が経営する学校に入学し、卒業しますが、自信がなく、中途半端な状態
で、実家には帰れず、憧れだったアナウンサー学校へ通いました。晴れて、アナウンサーに
なったものの、テレビやラジオは、1本のみで、後は、イベントの司会ばかり。「こんなことを
してて意味があるのかな?」と悩む日々の中、ふと、「このままでは、出世することしか
考えない人生を送るだけだ! 今、西蓮寺に戻らなければ、2度と帰らないだろう」と思った
のです。そこで、実家に帰り、僧侶として、兄と2人で、お寺の再建をしました。
そんな中、友人の悩み相談に、乗るようになった、ある日、「あなたが、言ってくれた言葉を
私だけが聞くのは、もったいない! ネット上で、仏教を伝えて欲しい」との、言葉を受けて、
「日替わり法話」を、発信することに、なりました。そして、僧侶として、1人ひとりの悩みと
向き合うことになりました・・・。
ある日、相談メールに、「私の息子と結婚してくれないか?」
というお便りが混じっていました。送信者は、私が好き
だった人のお父様。半年後には、その彼と結婚し、
京都のお寺へ嫁ぎました。その後も、「仏教を
身近なものへ」と、日替わり法話を、日々更新して
います。今では、再び、ラジオや、講演会のお話も
いただくなど、すべての経験に意味があり、
それが、ご縁と感じています。これからも、
親鸞さんの教えや、自身の経験をもとに、皆さん
と向き合って行きたいと思っております・・・。