特別対談 戸田奈津子×有村昆...その2 | Q太郎のブログ

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読んだことを忘れるくらいの字幕を|字幕翻訳者 戸田奈津子|三洋化成ニュース№515 | SANYO CHEMICAL MAGAZINE

 

 

戸田> 違いますよ。優しいしね、穏やか 指差し

 

だしね、全然違った。私は、イヤイヤ通訳を

 

始めたんだから、英語は上手くないんですよ。

 

でも、映画は好きって感じで、さらけ出して

 

付き合うの。そうすると、みんなちゃんと返って

 

きます。仰ぎ見ちゃダメ。「わ~、デ・ニーロ 泣き笑い ラブラブ

 

だ」とか、「うわ~、ハリソン・フォードだ」

 

とか、本人は、一番嫌がるの、見上げられる

 

のって。自分は、普通の人間だと思って

 

いるのにね。だから、私は、素で付き合うの。予防 キメてる 指差し

 

すると、向こうもちゃんと、素で返してくれる。

 

これが、1つの心がけ。スターに限りません。

 

全ての人に対してそうです。相手によって

 

自分を変えるって、わたしは一番嫌いだから・・・。 ラブラブ 雷

 

 

 

有村> 確かに、デ・ニーロのお話ですと、段々、

 

コメディ作品に進出していくと、彼のパーソナリティ

 

が、すごく出てきた気がしますね。

 

 

 

戸田> 彼は、本当に俳優なのよ。もらった役を

 

いかにも創りあげられる。ご本人は、 カラーパレット

 

「白紙のキャンバス」。彼自身、何もないって

 

言ったら悪いんだけど、色がないの。『タクシー・ 車ダッシュ

 

ドライバー』の時は、『タクシー・ドライバー』の

 

キャラクターになるんですよ。

 

 

 

 

 

【80年の『地獄の黙示録』で、一夜にして人気映画字幕翻訳家に・・・】

 

 

 戸田奈津子さんは、1958年、大学を

 

卒業し、生命保険会社に就職するが、 病院 学校 郵便局 ATM

 

およそ1年半で、映画字幕翻訳家を目指す

 

が、その道は決して、たやすいものではなく、

 

大きなチャンスが、巡ってくるのは、およそ

 

20年後の1979年だった。フランシス・

 

フォード・コッポラ監督の来日時の通訳、ガイドを

 

努めたことが縁で、撮影現場にも行った、

 

『地獄の黙示録』の字幕を、監督の推薦により、

 

担当することになったのだ。

 

 

 

有村> いや、すごいな。しかし、コッポラから

 

の信頼が絶大ですよね。逆指名で翻訳する

 

っていうのは?

 

 

 

戸田> あの方は、みんなを助ける人なんです。

 

ルーカスも、スピルバーグも、彼が最初のチャンス 乙女のトキメキ 

 

をあげていますよね。彼の、恩恵を受けた人

 

は、いっぱいいるわけです。私は、その末席です

 

からね。私が「恩人」とか言っても「え?」 おじいちゃん はてなマーク

 

という顔をしています。

 

 

 

有村> コッポラ監督って、どんな感じの方

 

なんですか?

 

 

 

戸田> イタリア系だけど、「陽気なイタリア イタリア

 

人」ではないです。非常に物静かで、物を

 

考える人って感じです。すごく頭がいいし、パックハッ 

 

知識が豊富ですから、頭の中に、図書館が メモ 

 

あるみたい。あらゆることを知っているの。ロボット

 

『ゴッドファーザー』を観てください。『地獄の

 

黙示録』もね。ああいいう映画をつくる人

 

だから、そんじょそこらの脳みそじゃないんで 脳みそ

 

すよ。非常に感慨深くて、哲学者みたいな

 

ところもあるし、根っからのアーティストだし、スーツ

 

この世で、知らないことは無いみたいな人です。

 

 

 

洋画界っいて、小さいところだから、私を見れば、

 

あの子は、字幕をしたがっているって、みんな

 

知っているのよ。だからといって、すごいお金

 

を出して、買ってくる映画で、何億かを稼ごう 札束

 

っていう大変な勝負なのに、新人にやらせる

 

わけがない。でも、私は、そういう経緯でチャンス

 

を与えられた。幸いにもね。『地獄の黙示録』

 

の字幕をやって、一応ね、無言のお墨付きが  タコ もやもや

 

出るわけですよ、業界の中で。まぁ、使える

 

んじゃないかって。それまで、仕事くれなかった

 

のに。そこからは、一夜にして、雨後の

 

タケノコのごとく、仕事の依頼が来ましたよ・・・。やしの木 電話

 

 

 

有村> 年間、どれくらい、字幕翻訳をされて

 

いるんですか?

 

 

 

戸田> 1本で使える時間は、1週間~10日

 

なんですよ。だから、年間50本。パー OK

 

 

 

 

 

有村> ということは、365日しかないわけ

 

ですから、6日に1本のペースで、あげていく

 

ということですか?

 

 

 

戸田> 次々来るから、1つの、作品が

 

終わって、次の作品じゃないんですよ。各社から

 

依頼が来るから、同時に3本重なったり、ない時

 

もあったり。こういう感じで365日が、

 

回っていくわけですよ。 ふとん1 時計 飛行機 地球

 

 

 

有村> その頃は、お休みは、あったんですか?

 

 

 

戸田> 20年待って、やりたい仕事ができたのよ。

 

もう、嬉しくて、嬉しくて。楽しくて休みなんか

 

いらない、という感じでしたね。ひらめき 音譜

 

 

 

有村> 今でこそ、ビデオで、何度も見返せます

 

けど、当時は、試写室の話じゃないですか?

 

 

 

戸田> 最初に試写室に行って、一度映画を見て、

 

セリフを切る作業をして、それっきりですよ、

 

画面を観るのは。1週間しか時間がないから、

 

もう1度観る、2時間が惜しいわけです

 

よ。台本があるので、それを、観れば画面を テレビ ニコニコ

 

思い出すんですよ。そのあと、原稿を出して、

 

もう1度観てチェックします。最後、照合する

 

ために映画に字幕が入った状態で、3回目を

 

観て、終わりです。1週間は、翻訳の時間で、

 

その後、工場の作業で、1週間使い、トータル

 

2週間で、出来上がります。大泣き 指差し

 

 

 

有村> セリフ量にもよると思うんですけど、

 

翻訳で大変だった作品は何ですか?

 

 

 

戸田> どんな作品も難しいですよ。それ

 

なりに。意外に思われるかもしれませんが、

 

出来の悪いB級やC級が難しいですよ。

 

台本がいい加減だから。出来の悪いシナリオ

 

って、出ていた人が途中で消えちゃったり

 

するしね。あの人、どうしたんだろう?みたいな・・・。泣き笑い

 

 

 

話に穴がポコポコ開いているから、内容が

 

伝わらず、字幕が、下手だって思われちゃうんです。

 

だからといって、セリフは創作できません

 

し・・・。内容が難しくても、シナリオがきちん

 

と書かれているのは、翻訳しやすいですね。ウインク

 

 

 

有村> 戸田さんが、今まで担当されてきた

 

監督さんや、脚本家の中で、このひとの作品は翻訳

 

しやすいってありますか?

 

 

 

戸田> だって、同じコッポラ監督でも、

 

「ゴッドファーザー』と

『黙示録』じゃ、ギャングと戦争で、全然、違うじゃない

 

ですか?セリフも違うし、言っている言葉も

 

違うし、別物ですから。もしろん、コッポラが

 

つくっているけど、セリフ自体に、そんなに

 

共通点はありませんね。てへぺろ

 

 

 

有村> 一番、心に残る戸田さんが、今まで字幕

 

翻訳された作品の中で、1本挙げるとする

 

ならば、どれですか?

 

 

 

戸田> 20年間、ウェイティングしていた私にとって、

 

『地獄の黙示録』は、非常に節目となった

 

作品ですね。作品そのものの評価って

 

言ったら、好き嫌いは、もちろん私なりに

 

ありますけどね。爆笑

 

 

 

有村> 字幕って2行で、まとめるのが、

 

マストですよね?

 

 

 

戸田> だから、情報が半分、時には、ほとんど

 

1つしか、入れられないって時はありますね。

 

それでも、観ている人に、わからせなきゃいけ

 

ないわけです。それが、一番大変です。情報を

 

削って、でも、読んでわかるようにすることが・・・。笑い泣き

 

 

 

有村> それが、本当にすごい!

 

 

 

 

戸田> やってみてください。通訳したら3行に

 

なるものを、「全部で10文字にしろ」って

 

言われたら、どうでしょう? 大変でしょう?キメてる!?

 

 

 

有村> いや、メチャクチャ大変ですよ。

 

 

 

戸田> それをやんなきゃいけない。知らんぷり

 

 

 

有村> しかも、それが、前後のつじつまが合う

 

ようにやらないと、おかしくなりますよね?

 

 

 

戸田> つまり、話がめちゃくちゃになるって

 

ことですよね。そこが、字幕の難しさ、

 

特殊性ですよね。ニコニコ

 

 

 

有村> そこが、1番すごいと、思っているところです。

 

できないですよ、そんなの。

 

 

 

戸田> いや、まあ、そこは、職人ですから。

 

職人というのは、みんなが、できないことを、

 

訓練してやるわけだから、どんな仕事も同じ、

 

植木屋さんだって同じですよ・・・。泣き笑い

 

 

 

備考:この内容は、2022-3-19

発行:(株)三栄

「'80映画大解剖」

より、紹介しました・・・。

 

 

戸田奈津子さんと対談させて頂きました。80年代映画は面白い‼️ | 有村昆オフィシャルブログ「映画と共にあらんことを」Powered by Ameba