おしゃれなイヌというイメージが強いのが、「プードル」では、ないでしょうか?
ふさふさした巻き毛を、いろいろな形にカットしたスタイルが、おなじみで
す。顔や脚、しっぽの毛を短く刈り込み、足先としっぽの先端だけ丸く刈り
残した「トリミングカット」は、プードルのおなじみの姿です。
最近は、30cm程度で、小型犬種の「トイプードル」が大人気です。
カールした毛並みと愛らしい姿が、「まるで動くぬいぐるみのようだ」と若い
女性の間で、人気を呼んでいるようです・・・。
愛らしい姿をしていますが、もともとは、水辺の猟を得意としていた狩猟犬
で、ヨーロッパ各地で、飼育されていました。人間と一緒に水辺の狩りに
出かけ、人間が撃ち落とした水鳥を、拾って持ち帰る役割を果たしていました。
16世紀頃から、フランスの上流階級で愛されるようになり、愛玩犬として
注目されるようになったそうです。その結果、小型化されて「ミニチュア
プードル」が誕生。18世紀のルイ16世の時代には、さらに小型化された
「トイプードル」も登場しました。
独特のトリミングスタイルは、もともとは、ファッションのためというより、
狩猟犬として、水辺で仕事をするために、施されたものでした。水に入る時、邪魔
になる毛を刈り取ったわけですが、寒い時期、冷たい水から心臓や関節部分を
守るために、わざと一部分だけ、毛を残していたものです。
プードルの毛は、硬くカールしているので、トリミングしていなくても、とき
どきカットが必要です。水辺の狩猟に出掛ける必要もなくなったので、顔や
脚の毛をカットする必要はありませんが、衛生面を考慮すると、顔やお尻など
汚れやすい部位の毛をカットするのは効果的です。
毛が縮んで密集しているため、皮膚病にならないよう、飼い主のケアが必要
です。とくに、目の周りは、涙で汚れると茶色く涙やけになることがあります。
涙が出たときには、こまめに顔をふいてあげましょう。
プードルは、一般に服従性があって、遊び好きです。もとが水猟犬だった
ので、行動やしぐさも、活発的で運動も欠かせません。賢くて性格も穏やかなの
で、飼いやすいイヌのひとつに挙げられます・・・。
備考:この内容は、2011-7-27 発行(株) PHP研究所
わんこ友の会 著 PHP文庫 「しぐさでわかる『イヌの気持ち』」
より紹介しました・・・。