子供の読めない童話「足音」...その4 | Q太郎のブログ

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【不気味な唸り声がドンドン近づいてきて・・・】

 

 

 遠く離れた町角で、なにかの唸り声がしたような気がした。

 

 

「今、何時ごろかしら?」

 

 

と、小枝子は、ねぼけたままで自問した。

 

 

 

 時計に手を伸ばせば、すぐに分かることなのだが、身体が動かない。チアリーダ

 

 

ーとして、昨日の体育祭で、張り切りすぎたためか、身体の節々も痛いし、だるさが

 

 

身体全体を覆っている。

 

 

女子高生 ベッド リラックス 寝るの写真素材 - PIXTA

 

 ぼんやりと、闇の中で天井を眺めていいると、時計の音だけが、はっきりと聞こえる。

 

 

目が覚めたのか、まだ、眠っているのか、自分でも自覚できない。

 

 

 

 こんな状態は、今までにも何度か体験している。「カナシバリ」ってやつよネと、

 

 

小枝子は、自分に言い聞かせようとしたが、今度だけは今までとは、違うようだ。

 

 

 

 周りの音だけが、いやにハッキリと聞こえ始める。自分の心臓の鼓動、時計の音、

 

 

遠くを走る車のエンジン音。

 

 

 

 そろそろ、夜明けが近いのかしら?と思ったその瞬間、あの不気味な唸り声が、

 

 

また、聞こえた。

 

怖がっている女子校生の写真素材 [14589363] - PIXTA

 

 一体、何が唸っているのかしら? 犬の遠吠えでもなさそうだし、今までに聞いた

 

 

こともないような、恐ろしげな唸り声。ふと、背筋が寒くなる。

 

 

 

 その、唸り声は、徐々に小枝子の家に近づいて来る。下で寝ている両親を呼ぼう。

 

 

下に降りて行こう。そう思うのだが、身体を動かすことができない。

 

 

 

 やがて、唸り声は止んだが、足音だけは、庭伝いに、玄関の前までやってきて、

 

 

止まったような気がする。泣き出しそうになる。早く誰か助けに来てほしい。パパや

 

 

ママは、何をしているのだろう?

 

 

 

 玄関を入って、階段を登ってくる足音は、小枝子の部屋の前で止まった。得体の

 

 

しれない何者かが、部屋の中の様子を伺っている。

 

 

 

 小枝子は、ベッドから抜け出て、逃げ出すことさえできない。

 

 

 

ギィィィー。ドアの蝶番がきしむ音がした。

 

女子高生 女子 くつろぐ ベッドの写真素材 - PIXTA

 

 最後の力をふりしぼって、叫ぼうとする小枝子。

 

 

と、ドアが激しい勢いで開けられた。

 

 

 

「小枝子! いい加減に起きなさい。学校に遅れるわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、1995-8-5 KKベストセラーズ

奥成達著「子供の読めない童話」より紹介しました・・・。