むろん、血液型も、広末を理解するひとつの手がかり
なのだが、たった4種類しかないから、心もとない。
そこで、いったいどんな家庭に育ったのか、紹介
することにしよう。小学5年生のころ、広末家にハス
キー犬のベスがやってきた。知人から、もらい受ける
ことになったのだけれど、大型犬のベスはすでに、
柴犬ぐらいの大きさになっていた。まずは、このベスに
関する話を紹介すると、広末家の雰囲気が手に取る
ようにわかると思う。
家の中で飼うことにして、柵を用意
してたんですよ。
夜は柵の中に入れておこうと思ったんですけど、
夜もすごく暴れて、その柵に足が引っかかって、
「キャイン、キャイン」とか言ってるんですよ。たまたま
私が目が冷めた時、「もっと大きくなるのに、家の
中で飼うなんて絶対に無理。返すなら今よ!」って
ママが、パパに訴えてたんです。
パパは飼いたくて、
でも、悩んでて、妹は、ベスが大きいから、怖がっちゃってた。
それで、わたしは、「お願い。エサも上げるし、
散歩も一緒に行くし、涼子とパパで、全部面倒をみるから、
お願い!」って言って頼んだの、実際は全部、パパが
やってるんですけど」(笑)。
・・・ということは、2対2に分かれてたけど、結局
は飼うことになった?
そうなんです。大型犬は、2ヶ月ぐらい訓練所に
預けなきゃいけなかったんですけど、そのときは
もう4人とも、すごく寂しかった。「ベートーベン」と
いう映画があるんですけど、お父さんが犬を保健所
に連れて行くシーンを見て、家族4人で泣いて
たんですよ・・・。
広末は、自分は性格面においても運動面においても、
母親似で、妹は父親似だと家族を分析した。負けす
ぎらいの母親と長女は、中学時代にも、高知の
アーケード街で、夜な夜な徒競走を繰り広げていた
という。母は、元バスケットボールの選手で、陸上部
からも、引き抜かれたというアスリート。友だち感覚の
ような母娘関係が、そう珍しくなくなる日は、すぐ
そこまで、きているのかもしれない・・・。
ウチ、けっこう外食が多かったんですよ。その
帰りとかに4人で、ゲームセンターに寄ったりするから、
アーケード街で「ヨーイ!」ですもん(笑)。けっ
こういい勝負だったような気がする。ママいわく、
「100mは負けるかもしれないけど、50m
なら自身がある」ということで、たしかに、
そうだったかもしれない。
・・・お父さんはどうなの?
パパは、ダメなんです。走ったところをほとんど
見たことなくて、”カッコブー”なんですよ。「急いで
るんだから、パパも走って!」と言っても、お先に
どうぞっていう感じ。カッコつけてるっていうか、自分
のポリシーがあるっていうか、う~ん、でもカッコ
いいです。・・・実際、酔っぱらっても、必ず洋服はちゃんと
かける人。パパは、オシャレです。でも、6年生の
運動会の2人3脚では、張り切ったのを、すごい覚え
てます。
それまで、運動はママ専門だったんですけど、
その親子競技は、パパの仕事だったから、夜、
アーケード街で、練習したもん。パパはヒマがないんだけど、
食事とかの帰りのとき、2人で1、2、1、2
って・・・。
妹とお父さんの性格は似ているんですよ。細かいの。
布団で寝ていた時期に、妹が布団を敷いてくてた
事があって、すごくうれしくて、「ありがとう」って
言って、次の日は、私が敷いたんですよ。そうしたら、
妹は、敷き直したんですよ。「お姉ちゃんが
やってあげたのに、どうしてそういう事するの?」って、
すっごく頭にきた。私の敷き方が雑だったらしいん
ですけど・・・(笑)。
きゃ~!ちょっと、Qちゃん、どこ撮ってるのよ!?
備考:この内容は、1998-4-30 (株)集英社
「広末涼子写真集 No Make」
より紹介しました・・・。