
実がやわらかく、みずみずしさが特徴の新タマネギや新ジャガ。 もちろん、呼称の
頭についた「新」には、新しく収穫されたもの、という意味がある。 しかし、
どうしてわざわざ、ふつうのタマネギやジャガイモと「新」を区別する必要があるの

だろうか? そこには、流通の秘密が関係している。
じつは、タマネギやジャガイモは、収穫されると冷蔵庫で保存され、生産できない
冬の間は、これらの貯蔵モノが流通している。

春先、収穫を迎えるころには、貯蔵モノの在庫は減っていくが、それと
共に、新しく収穫されたタマネギやジャガイモが出回りはじめる。
つまり、春先には、貯蔵モノと、新モノが同時に並ぶ時期がある。
そこで、この二つを区別するために、新たに収穫したものに
「新」をつけているというわけだ。

ただし、タマネギもジャガイモも、日本各地で生産されている野菜。
当然、栽培時期や収穫期も異なる。
たとえば、ジャガイモの場合、九州では秋に植え、
2~3月ごろに収穫される。 ところが北海道では、秋の9月ごろが収穫期。
つまり、九州では春にとれたものが新ジャガで、
北海道では秋に収穫されたものが新ジャガとなる・・・。

備考:この内容は、2013年3月30日 発行
「誰に話してもすべらない話」より紹介しました。