妻の出産に立ち会って、その痛がりように驚いたという人は少なくない。そこか
ら、女性に畏敬の念を抱く男性もいるようだ。ただ、考えてみれば、現代では医療
技術の発達によって、さまざまなケガや病気の苦痛を和らげることが出来る。
ガンですら、昔にくらべれば、痛みをかなりコントロールできる。それなのに、
なぜ、出産の痛みだけは、和らげることができないのだろうか?
出産は、ケガや病気ではないから、痛みを和らげることができないのかというと、
そういうわけではない。痛みを和らげることは可能だ。「無痛分娩」と呼ばれる
もので、麻酔薬などの薬物を使ったり、鍼によって痛みを緩和する方法はある。
カウンセリングによって、心理的に痛みや恐怖をコントロールする方法もあり、海外で
は無痛分娩を選ぶ女性が増えている。
それなのに、日本では、多くの女性が出産の痛みに苦しむのは、日本独特の考え
方が影響しているためだろう。日本の場合、「産みの苦しみに耐えてこそ、一人前
の母親になれる」といった考えからが、今ものkっている。その結果、無痛分娩を選ぶ
ことを母親として恥ずかしいことのようにとらえ、あえて痛みをともなう昔ながら
の出産法を選ぶ人も多いのだ・・・。
備考:この内容は、2013-3-30 川出書房新社 発行
博学こだわり倶楽部編
「誰に話してもすべらない話」より紹介しました・・・。