中華料理に似合いの酒と言えば「紹興酒」と
「老酒」。この2つ、呼び名が違うだけで中身は同じ酒
と思っている人も多いのではないか。じつは、
それは違う。世界でもっとも古い醸造酒のひとつと
されているお酒が中国酒の「黄酒」。もち米やもち粟を
主に原料とし黄色がかった琥珀色の酒だ。
「紹興酒」
もっとも日本でポピュラーな酒で、
いわば「黄酒」の代表銘柄とも呼べるのが、「紹興酒」
である。浙江省紹興地方で作られる中国黄酒である
ことから、その名がついた。日本では、「中国酒=紹興酒」
のイメージだが、一つの銘柄にすぎない。
「老酒」
「紹興酒の別名」、「黄酒の一般的な呼び名」
などの説もある、が、「紹興酒の中でも、年数を
重ねて熟成させた品質の良い古酒」というのが、
もっとも有力とされる説だ。ほかの地方で製造方法を
マネて作った黄酒は「倣紹興酒=紹興酒を模倣した」
酒などと呼ばれる。それくらい有名な地酒が
「紹興酒」だからであろう。その酒を長い年数寝かせて
おいしくさせた「老酒」はなおさらだ。ただし、
最近は、長く寝かせた中国酒は、全般的に「老酒」と
称している場合もある。
「紹興酒」も「老酒」も、ともに日本酒と同じ
くらいのアルコール度数で13~20度。日本酒にはない
独特の酸味が、油っこい中国料理に、とってもよく
合う。中には、「老酒」に氷砂糖を入れて飲む人も
見かける。強い酸味が苦手で、それをやわらげるため
とう理由もあるらしいが、品質の高い「老酒」で
あれば、なにも入れないほうがダンゼンうまい・・・。
備考:この内容は、2006-9-10 (株)廣済堂出版
違いがわかる大集団編 「2つの違いわかりますか?」
より紹介しました・・・。