日本国技は相撲。・・・とはいえ、昨今は、
朝青龍の連続優勝を筆頭に外国人力士たちが
なにかと話題の角界である。ところで、つい「力士」
という言葉を用いたが、もう一つ彼らに対して
「関取」の呼び方がある。どちらも相撲取りの
呼び名に変わらないだろうと思いがちだが、じつは、
この2つの呼び名には大きな差がある・・・。
「力士」
相撲取りを総称して言う言葉。新弟子試験に
合格した見習い、番付にも載らない前相撲。彼ら
もいちおう「力士」。そして番付に顔を出す、
序の口、序二段、三段目、幕下、十両、幕内(前頭)、
小結、関脇、大関、さらに横綱まで、すべてが
「力士」なのである・・・。
「関取」
力士の中でも、番付で重量以上が「関取」
となる。「力士」は「関取」と呼ばれ始めて
一人前となる。それまでひたすら無休でがんばってきた
「力士」たちが、「関取」となり、初めて毎月の給料
を手にする。部屋も大部屋から個室に。服装も
紋付羽織に袴が許される。なにより、相撲にはつきものの
土俵上の塩撒きも、行うことができるのは「関取」
だけである。「力士」と「関取」の差は大きい。
新弟子試験に合格し「力士となるものはそれなり
の人数がいるが、「関取」まで残るものはほんの
一握りの厳しい世界。ましてや幕内、三役、横綱まで
上り詰める「力士」となれば、ほんの数人の世界で
ある。「力士」が約700人だとすれば、「関取」の
数はその1割以下、70人弱というのが現実である・・・。
備考:この内容は、2006-9-12 廣済堂出版
「2つの違い、わかりますか?」より紹介しました・・・。