実現不可能な勝負を
科学でシュミレーション・・・
ガンダムVSエヴァンゲリオン!
日本を代表する2大アニメが生んだ
「人型搭乗兵器」による世紀の大一番である。
『機動戦士ガンダム』は1979年にTV放映され、後に爆発的な人気を呼んだ。
劇中では、人間が乗り込んで操縦する機械のことを「人間の能力を拡大する」と
いう意味で、「モビルスーツ」と呼ぶ。とくに説明がない限り、ガンダムとは
主人公のアムロ・レイが操縦するモビルスーツ「RX-78-2ガンダム」を指す。
『新世紀エヴァンゲリオン』のTV放送は95年。エヴァンゲリオンとは、南極に
落下した未知の生命体から作った人造人間に、金属の装甲を施した
「汎用人型決戦兵器」。
適合する14歳の少年少女が乗り込んで操縦する。こちらも、主人公の
碇(いかり)シンジが乗る初号機がエヴァンゲリオンと呼ばれることが多い。
いずれも、従来のロボットから一歩進んだ存在であり、両者をひと括りにする
言葉はない。形態と機能の共通点から強いて名前を探すなら、冒頭に記した
「人型搭乗兵器」というところだろう。だが、開発や運用の思想の違いから、
やはりガンダムはモビルスーツであり、エヴァは汎用人型決戦兵器なのだ。そして、
それぞれの世界観を背負う両者だからこそ、どちらが強いかを知りたくなる・・・。
まず明らかにしておきたいのは、このモビルスーツと汎用人型決戦兵器には、
かなりの体格差があることだ。
『スーパーロボット画報』(竹書房)によると、両者の諸元は次のとおり。
RX-78-2ガンダム 全高18m 自重43.4t 全備重量60t
エヴァンゲリオン初号機 全高40m 重量700t
なんとエヴァンゲリンは、ガンダムの2.2倍もデカイのである。そのうえ
体重も重い。仮にガンダムをエヴァと同じ身長40mに相似拡大したら、
体重は2.2倍の3乗で476tになる。ところが、エヴァはスリムに見えて、
それより重い700t!これは身長170cm・体重65kgの平均的日本人男性が、
身長3m78cm・体重1tという超巨漢と戦うようなものだ。まともにぶつかりあったら、
ガンダムに勝ち目はないだろう・・・。
つづく・・・
備考:この内容は2016年12月2日発行(株)KADOKAWA
柳田理科雄著「空想科学読本14」より紹介しました・・・。