バイトがんばってね チャムラー
忘れもしない高校2年のときの話。僕の通っていた学校から家までは自転車で1時間。
何気ない普通の帰り道、いつものように自転車をこいでいたら、急に便意を感じた。
「まあ家までは我慢できるだろう・・・」と最初は思っていた。しかし、少し経つと
ギュルルルとお腹は悲鳴を上げてきた。
「がんばれ俺! 家まではもう少しだ・・・」
だけど、僕のお腹は反抗期。家まであと10分というところでK点を越えた。
「まずい。どこかのお店でWCを借りよう・・・」と思い、いつも学校行くときに
立ち寄っているコンビニへ行った。
「もう大丈夫だ。もうすぐ楽になる・・・」と思ったのだが、コンビニのWCには
「使用の際にはスタッフに声をかけてください」の張り紙が貼ってあった。何気に律儀な
僕は店員に声をかけようとしたのだが、事件が起こった。
なんと!店員は僕がひそかに恋心を抱いている、顔見知りの女の子だったのだ。
「彼女に僕のう○こが臭いのがバレたくない! ましてや、掃除をすることになったら
恥ずかしい・・・」
僕は「WC貸してください」の一言が言えず、
「バイトがんばってください」とつまらない一言を残し
足早に店を後にした。
直後、もらしました・・・。
死ぬかと思った・・・。
備考:この内容は、2010年7月22日発行
(株)アスペクト 林雄司編・著「死ぬかと思った7」より紹介しました。