「ケース1」
女性A> 昨日、宇宙人に
連れ去られそうになってなぁ。
女性B> ウソやん。
「ケース2」
女性C> 昨日、新大阪駅に
キムタクがおったで~。
女性D> ホンマ?
「ケース3」
男性A> 昨日、3年前にいえを出て行った
オトンがいきなり帰ってきてん。
男性B> マジで!?
追随に使われる言葉によって
聞き手のサプライズ度合いがわかる
大阪人は疑い深い性格・・・というわけではないが、
真偽のほどを確かめる言葉を会話の端々に
挟んでくる。
ウソやん。 ホンマ? マジで!? そこに深い
意味はない。単なる追随であり、そういう表現を
多用する文化が根付いているだけなのだ。
とはいえ、使われる言葉によって意味する
ところは変わってくる。大阪人が自然に口にする
相槌は、疑いもしくは驚きの度合いを端的に
示してくれる。
「ウソやん」は比較的軽い感じ。 たわいもない
話や、完全にウソとわかる話を聞かされた際に、
ほぼ笑顔を伴って発せられる。そこに驚きはない。
「ホンマ?」になると、ランクがひとつ上がる。
ちょっと驚いたときや、ウソかホントか迷うときに、
確認の意味も込めて使われることが多い。
「マジで!?」になると、リアルにビックリして
いるケースが増える。目を見開いて、「えっ?」と
いう表情で発せられるのが基本。声やリアクションが
大きくなるほど、驚き度合いが高いと
受け取っていい。
最初はその話を信じておらず、「ウソやん」で
対応していた場合でも、話の信憑性が高まるに
従い「ホンマ?」になり、核心に迫るころには
「マジで!?」が飛び出す。それがオーソドックスな
パターンである。
ちなみに、この三段活用を身に付けているのは
主に若者世代で、中高年になると、
「ホンマかいな?」や
「んなアホな」が
ラインナップに加わってくる。
いずれにせよ、大阪人が会話に挟む真偽確認の
言葉に深い意味はない。あくまで追随であり、
合の手なのだ・・・。
備考:この内容は、2014年2月21日発行 宝島社
「大阪トレンディ」より紹介しました。