ウォー・ゲーム | Q太郎のブログ

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パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥


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無邪気なガキが引き起こした世界滅亡の大ピンチ!


『ウォー・ゲーム』




 1983年に公開された


コンピューターやハッキングを


描いたかなり初期の作品。




 高校生のデビッド(マシュー・


ボロドデリック)は成績は良く


なかったが、コンピューターの腕には


自信があった。学業不振で職員室


に呼び出されても、すきを見て


教師のPCに介入、成績を書き替えて


危機を切り抜けていた。彼の


趣味は新作のゲームのベータ版に


アクセスして遊び倒すこと。




 ある日、聞きなれない”ジョシュア”という


ゲームにアクセスし核戦争ゲームを


始める。しかし、デビッドが


アクセスした相手は実際に米軍の防空


司令部にあるスーパーコンピューター


であり、コンピューターは


ゲームを現実と解釈してソビエトへの


反撃を準備しはじめる。第三次


世界大戦を防ぐことは出来る


のだろうか・・・?







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 監督のジョン・バダムはあの


『サタデー・ナイト・フィーバー』


(77年)で有名だが、いわゆる職人


監督であり、コメディからホラー


まで、選り好みなくそつなく


まとめることで知られている。





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 1983年と言えば、まだアップルの


マッキントッシュやウィンドウズは


発売されていなかったが、


MS-DOSはすでにあり、コンピューターも


SFだけでなく現実のドラマ


にも出るようになっていた。映画


ではとにかくやたらキーボード


を叩くだけでどんなパスワードも


解いてしまうという描写が多いが、


本作ではちゃんと所有者のすきを


見てパスワードのメモ書きを


見つけるなど、いわゆるソーシャル・


ハッキングの手を描いているのは


この時期の映画としては優れて


いる・・・。






 冷戦下に敵の攻撃に対しての


すべての対処をスーパー・コンピューター


に任せるという発想はこの


映画が初めてではない。







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1970年の『地球爆破作戦』がおそらくは


最初のこのテーマの映画だろう。


さらに以前の1967年の


『スター・トレック』(宇宙大作戦)の


「宇宙の巨大怪獣」に現れる完全


自動化された報復マシーンも、


同じ趣向のものと考えていいだろう・・・。







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 『ターミ・ネーター』(84年)の


スカイネットも同様の存在だ。この


手のストーリーは、すべての


核兵器の使用権を握った神のごとき


コンピューターが人間に対してどう


振る舞うか? という興味から発して


いる。ただ、当時のコンピューター


描写は人知を越えた神の


ような存在というものが多かった・・・。






 が、これは現実にはそんなマシーンが


存在しなかったからとも考えられる。


現実にはコンピューターは人間が


製造しプログラムするもので


あり、今の目で見ると、ここまで人の


制御を受け付けない存在として


神格化するのは違和感があるかも


しれない・・・。






 もっと東日本大震災において


完全であるはずの原子力発電所が


全くコントロールできなくなった


現実に接したあとでは、いかに


優れたマシーンであっても扱う人間


のおごりから思いもよらぬ方向に


事態が展開するストーリーは、


未だに力を失っていないとも思える・・・。






 同時にこの時代は、まだ大きな


戦争を防ぐことで世界の平和は維持


できると考えられていたわけで、


冷戦の雰囲気がどういうもので


あったかもうかがい知れる・・・。


              (青井)











備考:この内容は、212年8月21日発行 洋泉社MOOK 映画秘宝EX

「映画の必修科目03~異次元SF映画100~」より紹介しました。