おそろしい幽霊や妖怪、かわいい妖精など、この世にいないはずのものを
見たと言う話は数多くある。だが、それら普通は見えないものたちの中で、
ここ数年で特に目撃した人が多いものは何か、知っているだろうか?
それは、身長 10cmにもみたない小人。と、言っても、童話に出てくるような
かわいい姿ではなく、その辺にいるおじさんのような見た目なのだと
いう。その服装も、見た人によってジャージだったり、スーツだったり、
ときには、はだかだったりと様々だ。
小人がしていることも、見た人や見た場所によって全然違う。たとえば
自分の部屋で小人を見たと言う人は、小人が窓に張り付いて、じっとしていた
のだという。またある人は、お風呂場で水に押し流されて、排水溝に
吸い込まれていった、ともいうのだ。家の中にある食べ物を少しだけ持っていく
こともあるようで、しがみつくようにしてイチゴを食べている、小さな
おじさんを見たと言う人もいる。
小さいおじさんは、人間の言葉もちゃんとわかるようで、小人と会話を
したという例もある。普通にだれもがだれとでもするような、たわいない
世間話がほとんどだったそうだ。
また、おじさんの小人は、一人とは限らない。数人で現れることも、
たまにあるのだという。やっていることは、綱引きのような感じで電子機器の
コードを引っこ抜こうとしたり、ベッドをゆらしてみたりと、意味があるのか
ないのかわからないことばかりだそうだが・・・。
いったい彼らが、どんな理由で人間の前に姿を現しているのかは、なぞに
つつまれている。特に人を助けるでもなく、また逆に何か被害を与える
ようなこともないからだ。その正体は妖精とも、聖霊の一種とも言われている。
特に芸能人の目撃例が多いと言う、この小さいおじさんたちは、心が
きれいな人だと見やすいという話だ。毎日悪いこともせずに過ごしていれば、
いつかキミが見かける日も、来るかもしれない・・・。
備考:この内容は、2011年7月22日 発行 ヤングセレクッション
「ギャー 怪談&都市伝説DX」より紹介しました。