日本では、春になるとツバメがやってきて、家の軒下などに巣をつくる。
ツバメは、だいたい5~6羽の雛を産み、雛はおよそ3週間で巣立っていく。その
あいだ、親鳥は雛のエサの確保のために大忙しだ。雛はピーピーと鳴いて、親鳥に
エサをねだり、親鳥は巣と外を頻繁に往復する。
親鳥が一日に何回エサを運ぶかというと、その日のエサの状況にもよるが、
おおむね100回を超えるといわれる。なかには、300回近くもエサを運ぶ親鳥も
いるほどである。
しかし、運んできたエサが、雛に均等にあたえられるかというと、そうでは
ない。一日に30回近くエサをもらった雛もいれば、10回ちょっとしかありつけなかった
雛もいるといった具合だ。雛の元気のよさによって、エサにありつける頻度は
かなりちがってくるのだ。
それでは、急成長する雛と育たない雛がでそうに思われるが、自然はよくできて
いる。エサをたくさん食べた雛は、やがて眠くなっていく。ひもじい思いをして
いた雛は、ライバルが眠り込んでいるすきに、エサにありつき、結果的に均等に
育つのだ・・・。
備考:この内容は、2012年3月30日発行 「誰に話してもすべらない雑学」より紹介しました。