「焼きそば そーとーうまい秘密」
ある食べ放題のバーベキュー場を尋ねると、来ていたお客さんのうち50組中48組が焼きそばを
作っていました。お客さんは「外で食べるとおいしい」「外の雰囲気がいい」と言います。
実際に来ていた家族の協力で、自宅でも焼きそばを食べてもらうと、「外の方が美味しかった」と言います。
そこでもう一度バーベキュー場でフライパンを使って焼きそばを作ってもらったところ、鉄板で作ったものに
比べて柔らかくフニャっとした麺(めん)になってしまいました。ジャンプ台を使って、鉄板で作った焼きそばと
フライパンで作ったものを比較する実験を行ったところ、前者のほうが弾力がありました。
バーベキューで食べるとおいしかったのは、雰囲気や外の解放感ではなく、鉄板とフライパンによる、
作った麺の弾力の違いにあったのです。
鉄板とフライパンの違いは「蒸す」と「煮る」
鉄板に水をかけると、水は広がって蒸発します。そのため鉄板では、麺を蒸し焼きにすることになります。
一方フライパンでは、水は広がらずに底にたまってお湯になります。麺が柔らかくなるのは、水分が多いと、
フライパンの底で麺が煮えた状態になるためなのです。しかも、この時にデンプンが溶け出して、
フライパンに張り付く原因となります。
家で作る焼きそばのレシピで麺に入れる水の量が指定されているのは、煮る状態を防ぎながら必要な
水分を与えるためです。火力の違いや野菜から出る水分の違いが、フライパンに麺が張り付く原因と
なっていたのです。
「メンメン(全然)違う~!鉄人の麺(めん)」
家で作る焼きそばをもっとおいしくするために、プロの味を調べることにしました。
究極の焼きそばを求めて、大阪にある鉄板焼きのプロを育てる学校を訪ねました。ここの講師である
鉄板の鉄人の焼きそばを試食した大阪のおばちゃんたちは「モチシコ」のコシがあると絶賛、さらに
「麺にソースの味がしみている」と言います。
ソースが染みる秘密は温度
麺に味がしみ込む理由は、実は以前のガッテンでもお送りしたワザにあります。2007年10月の放送の
「パスタ!おいしさ頂上大作戦」では、「麺にソースが最もよくしみ込む条件は、ソースが98度のとき」と
ご紹介しました。熱と水分で麺のデンプンが糊化(こか)して溶け出すことでできた「麺のくち」にソースが
しみ込むのです。
焼きそばも麺は100度以上であり、冷たいソースをかけた時も、熱い鉄板のおかげですぐに100度以上に
なっていました。この高温が、プロの焼きそば麺に味がしみ込んだ理由だと考えられます。
備考:この内容は Yahoo!「試してガッテン」より紹介しました。