久保> 車の運転はお好きですか?
研> はい。大好きです。でも、
事故とか怖いから、って最近はなかなか
運転させてもらえませんね。
久保> 以前は、ご自分で運転なさる
ことも多かったのですか?
研> ええ。静岡の実家に一人で運転
して帰ったりしていましたよ。
とにかく車が好きで。免許をまだ
持ってなかったときに、人の車に
乗っているだけじゃ気が済まなかった
ので、とりあえず車を購入して、
マネージャーさんに運転してもらったり
していました。でもやっぱり、自分
の車は自分で運転したいなぁって
思って。30歳くらいのときにようやく
念願の免許を取得したんです。
久保> そんな研さんの最初の車は
何でしたか?
研> カマロです。
久保> いきなりカマロですか?
研> あずき色っぽいメタリックの
ボディを見て、「わぁ、カッコイイ!」
って、どうしても欲しくて・・・。
久保> 研さんは、かなりの車好きと
お見受けしました。
研> はい(笑)。もしかすると親の
影響もあるのかもしれませんね。
久保> ご両親も車がお好きだった
のですか?
研> 実は、うちの父親というのが、
ちょっと変わった人だったんです。
うちは兼業農家だったんですけど、
普通だったら農家で車が必要に
なれば、実用的な軽トラックを買うじゃ
ないですか。ところがうちの父親、
なぜか乗用車を買ったんですよ。
たしかコロナだったと思うんですけど、
母親は、「そんな余計なもの
買って!」と怒鳴っていましたね。でも
父は、「家族で出かけることも考えたら、
これでいいんだ」って。まわりの
農業をやっているうちでは考えられない
選択だったので、「お父ちゃん、
カッコイイ!!」って思いましたね。
久保> お父様、すてきですね。
研> ええ。よく車に乗ってブドウ狩りや
海水浴なんかに連れて行って
もらいました。でも私にとっては、
行く場所はどこだってよかったんです。
「家族みんなで出かける」っていう
のがうれしかったんですよ。田舎
だったので、近所ではそういうのが
珍らしかったんですよね。
久保> 車にまつわるいい思い出が、
たくさんおありなんですよね?
研> そうですね。今でも父が車を
一生懸命磨いていた姿を思い出します。
久保> ご自分が免許を取られた時は
さぞうれしかったでしょう?
研> うれしかったですよ。免許を
取ったその日に高速に乗って、伊豆の
ほうまで行きましたから。
久保> 取ったその日に長距離
ドライブですか!?すごいですね!
研> 少しでも実家に近づきたくて。
「取れたよ~!」って。まだ結婚前
だったので、その頃は好き勝手
やっていましたね。
久保> その頃は車に乗って出かける
事も多かったのですか?
研> 多かったです。今でも西は
名古屋、北は仙台くらいまでは、
できる限り車で移動したいですね。
なかなか難しいですけど・・・。新幹線とかで
行ったほうが早いんでしょうけど、
車の中でゆっくりと過ごす自分だけの
時間というのが好きなんです。
久保> わかります。お仕事が忙し
かったり家庭を持ってしまうと、
なかなか自分だけの時間は作りにくい
ですものね。今まで運転をしていて、
JAFを呼ぶようなトラブルに
あったことはないですか?
研> 一度、高速道路でタイヤが
パンクしてしまったことがあって、
お世話になりました。本当にすぐ来て
くれるんですね。助かりました。
久保> そうなんです!私も何度か
お世話に・・・(笑)。
研> いや、私はそんなにしょっちゅうは
ないですよ(笑)。
久保> 最近、夢中になっていること
はありますか?
研> 実は今、アメリカのドラマに
ハマってしまっていて・・・。ああいう
のって、一度見ると、抜け出せなく
なるから不思議ですよね。
久保>そうなんです! 実は私も
前にハマってしまって、睡眠不足に
なって苦しくなったので、途中で
やめました(笑)。
研> レンタルショップで一度に20枚
とか借りたこともありますね。
我が家では家族みんなで鑑賞することが
多いんですけど、たまにこっそり
フライングして見ちゃったりします(笑)。
そのあとで家族といっしょに
また同じものを見るんですけど、
不思議と初めて見るような気持ちに
リセットできるんです。
久保> 研さんは人一倍のめり込み
やすい体質なのかもしれませんね?
北海道で共同運営している農園も
そのひとつですか?
研> 北海道の農園「ケンズファーム」は、
1500坪から始めて今は
1万坪になったので、完全に趣味の範囲を
越えちゃいました(笑)。
春から
秋にかけて、月に一度のペースで
行って作業をしています。土をいじると
気持ちが落ち着くというか、心が
洗われる気がします。それに、
「食べ物を大切にしよう」という気持ちも
自然と生まれます。
必要な分だけ
「取る」「買う」という当たり前の
ことも、改めて考えたりしますね。
久保> 当たり前のことですけど、
とても大事なことですよね。お子様
たちはとても仲がよさそうですが、
子育てのモットーはありますか?
研> 特別なことはないですけど、
子どもたちが小さな時から、
「●●しなさい」と上から押し付けるような
言い方はしなかったですね。
「やってみる?」とか「これはどうかな?
どう思う?」とまずは子供たちに
聞くんです。それから、「そうかぁ。
お母さんはこう思うんだけど、
どう思う?」って感じでしたね。
家族の暗黙のルールとして「何か
あったら抱え込まずにすぐ相談」という
ものがありますが、基本的には
すべて子供たちに任せてあるんです。
久保〉 お嬢様のひとみさんは、
研さんと同じ歌手として活動されて
いますが、似ていらっしゃいますか?
研> わたしは似ていると思うんですけど、
本人は否定しますね。「私は
人間だけど お母さんは宇宙人だから、
似るはずがない!」と(笑)。
久保> え? 宇宙人ですか?
研> そうらしいです(笑)。だから、
「宇宙人と人間のハーフだなんて
得だね」って言ったら、「お兄ちゃん
もいるから希少価値は少ない」って。
久保> そんなやりとりも仲のいい
証拠ということで・・・(笑)。ひとみ
さんとは昨年、ロサンゼルスの
ディナーショーで共演されたそうですね?
研> ええ。親子共演も もちろん
うれしかったですけど、何より日本の
歌を喜んでいただけたことが
うれしかったですね。ロサンゼルスで
暮らしている日本の方って、実はすごく
多いんですよ。「これからも両方の
国でなにか仕事が出来るようにがんばろう、
美しい日本の歌を届けて行こう」
って思いました。そういう目標を
持つことで、自分自身がいつまでも
若くいられるような気がしています。
久保> なるほど。研さんは本当に
お若いですよね。 もしかして・・・
やっぱり宇宙人なのでは(笑)?
研> こらこら(笑)! でも
「お化け」の友達ならたくさんいますよ。
久保> え? 「お化け」ですか?
研> 美川憲一さんでしょ。三輪明宏
さんでしょ・・・。
久保> ・・・・・・(笑)。
研> 本人たちが「お化け」と言って
いるからいいんですよ。「人間離れ
した人」という意味なんですけどね。
みんなで集まれば、そこはまさに
「お化け屋敷」。でもね、そこでの会話が
本当に面白くて。いつも
いろんな話題が飛び交って楽しいですよ。
あれは癖になります。ただし、
刺激が強すぎるので要注意です(笑)。
備考:この内容は「JAF mate 5月号」より紹介しました。