「蚊」
蚊の子どもが、家を飛び出したまま、
しばらく帰ってこなかった。
2日経ってやっと帰ってきた息子に、
蚊の両親が言った。
「モースキート(そう少し) 早く帰ってってこれないのか?
それに、人間は、やたら、私たちの事を嫌っているんだぞ」
「お父さん、お母さん、そんなことないよ! 人間は優しかったよ。
僕の行った家の人間は、僕を見るや否や、拍手をしてくれてたもん・・・」
「社長」
バーに社長が入ると、見慣れた男が一人、
すでにカウンターに座っていた。
それは、同じ会社の社員だった。
「これは、これは、社長、お先にやらさせてもらってます・・・」
「ほほぅ、君は私がここに来ると分かっていたのかね?」
「マスター! こちらの社長に、スコッチを(少し)ダブルで・・・」
「ほほぅ、君は私の注文することがわかるのかね?
じゃ、このあと、私が何を言うかを当ててみたまえ」
すると、社員は、メニューをじっと見つめながら・・・
「マスター、こちらの社員に、ボトルを一本、キープしてくれたまえ・・・」
「借金」
いつも、金を借りに来る男が友人を訪ねてきた。
「おい、僕が何の用事で訪ねてきたか、当ててみてくれ!
当たったら1万円払う。
その代り、外れたら、君が払う」
「どうせ、借金しに来たんだろ?
もっとシャキンとしろよ!」
「外れ! 正解は、僕が君に1万円もらいに来たのさ!」
「威厳」
先輩の社員が新婚の後輩に、話をしていた。
「男たるもの、亭主関白でなければいかん!
男の威厳を見せなければいかんと、言うことを言いたいんだよ。
俺なんか、新婚の時でも、
女房を裸でベッドで待たせておいて、
自分が風呂に入り、
背中を洗わせ、湯船につかって、
『ぬるい、焚き直せ!』
と、こう言ったもんだ。」
「先輩、それじゃ、今も奥さんは?」
「うん、いや~、そこだよ、きみ・・・
何でも自分一人で、出来なくてはいかん!
炊事、洗濯、掃除、買い物、ほにゃらら・・・」
男は、威厳が大切だ。(このままじゃ、いけん、いけん)
備考:この内容は「週刊新潮」
より紹介しました。
一部、勝手にアレンジしました。