女子会で・・・ | Q太郎のブログ

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パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥


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 これは、一緒に仕事をすることが多い美術の高梨さん(仮名)という女性から聞いた話・・・。



 高梨さんは、KN工芸株式会社(仮名)という美術専門の会社に所属している。その


会社のシステムは、会社が受注した仕事を高梨さんら社員に振り分け、各現場に行ってもらう


というかたちで行っているため、同じ会社の社員同士でも現場が違えば名前も知らない


という人もいるという。さらに、美術というのはデザインをしたり、制作したりして依頼者の


趣旨に沿った空間をつくると言う仕事のため、個人行動が多くなる。






 そんな職場だから、せめて数少ない女子同士だけでも仲良くしようと高梨さんの


呼びかけで女子会が開かれた。集まったのは高梨さんの後輩になる3人の女性社員で、面識は


あるもののあまり会話をしたことがないメンバーだった。なんとなくお酒も進んで


打ち解けてきた頃には、いつの間にか話題は仕事の愚痴になっていた。それぞれ現場は違うが、


似たような不満を持っていることにみんな共感を覚え、あっという間に距離は縮まっていた。


盛り上がりも落ち着いた時、




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 後輩の1人の加藤さん(仮名)が「ちょっと聞いてほしいん


ですけど・・・」と悩み相談のような感じで切り出した。聞くと、加藤さんは先週末ごろに、


直属の上司の山本さん(仮名)から告白をされたと言う。その上司の山本さんのことは、


女子会のメンバー全員が知っていたため、みんなビックリした。それと同時に加藤さんへの目が


同情に変わった。なぜかというと、山本さんは40歳手前で、見た目も気持ち悪く、ちょっと


危ない感じの雰囲気を持っていて、みんなから裂けられているような人だったから…。「そんな人に


好かれて気の毒だね」と、みんな冗談半分でからかっていると、加藤さんは沈んだ表情の


まま、ちょうど昨日、起こった事件を話し出した・・・。






 加藤さん> 昨日、家に帰って鍵を開けて中に入るまで気付かなかったんですけど、


見たらタンスが荒らされていて、泥棒に入られたんです。気持ち悪いなぁと思ったんですけど、


結局、何も取られてなかったから、そのままにしちゃったんです。その日、いつもより、朝


早い仕事だったからちょっと寝坊しちゃって、あわてて家を飛び出したから鍵を閉めるのを


忘れてたことを思い出して・・・」



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A子> うわっ・・・怖い。戸締りは気を付けた方がいいよ。



B子> 怖いね・・・それまさか、山本さんの仕業じゃないよね・・・。



加藤さん> 私も最初、そう思っちゃって・・・だから今日、会ったらさりげなく聞こうと


思ったんですけど、山本さん、今日、無断欠勤だったの。






 そんな会話が行われて、なんとなく盛り下がってしまい、自然と女子会は、お開きになった。


 高梨さんは家に帰って、何度も戸締りをチェックしてベッドに横になった。加藤さんの


話を思い返していた時、高梨さんは、よからぬことに気づいてしまった。





 加藤さんは、家に帰って、鍵を開けて入ったと言っていた。朝、閉め忘れたドアから何者


かが入って部屋を物色した。その後、鍵を閉めて出ていくことはできない。でも


鍵は閉まっていた・・・。




と言うことは、まだ部屋の中に・・・???




 そこまで考えて怖くなった高梨さんは、すぐに加藤さんに電話をしたが、つながらなかった。




 翌日、いつも通りの加藤さんが会社にいた。そして、いつもと変わらない山本さんも


パソコンに向かっていた。




 真実はわからないが、高梨さんは、このことを黙っておこうと決めた・・・。


 


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備考:この内容は、2011年1月31日発行、TOブックス 怖い話研究会芸能部 著

「テレビでは流せない芸能界の怖い話 5」より紹介しました。