くわんくわん | Q太郎のブログ

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 昔、一休さんと言う、とんちで評判の小僧


さんがいました。


 ある日、和尚さんは、大好きなぼた餅をもらって


きました。でも、寺の小僧さんたちに分けるだけの数は


ありません。そこで、一人で全部食べようと、その


ぼた餅を戸棚の奥に隠しました。それを見ていたのが


一休さんです。




 「和尚さんずるいなあ。よし、みんなで食べてしまおう」


 戸棚から、ぼた餅を取り出すと、ほかの小僧さん


たちと、一緒に、全部食べてしまいました。




「しかし、こんなことをして大丈夫か? 一休?」



「大丈夫ですよ。本堂のあみださまに、ちょっと


手伝ってもらえば・・・」




 一休さんは、皿についたあんこを手ですくうと、本堂


にスタスタと入っていきました。




 さて次の朝、ぼた餅がなくなったことに気付いた


和尚さんは、ひどくおこって、一休さんたち小僧さんを呼び


つけました。




「こら! 戸棚から、ぼた餅を盗んだのは誰だ?」



 すると、一休さんが、首をかしげて言いました。



「はて、わたしたちは知りません。だけど、本堂のあみだ


さまの口元に、あんこがついていましたよ。犯人は、


あみださまかもしれませんよね?」



「なにをばかなことを・・・!」




と、言いながら、和尚さんが本堂に行くと、たしかに


あみださまの口の周りは、あんこだらけです。これは


一休のしわざだな、と気づいた和尚さんは、負けら


れません。




「阿弥陀様。ぼた餅を盗んだのは、阿弥陀様ですか?


答えてくだされ?」




と、言ってあみださまの頭を、コツンとたたきました。


 すると、「クワーン」と、鳴りました。何度たたいても


「クワーン、クワーン」と鳴ります。




 和尚さんは一休さんたちに向き直ると、怖い顔で


言いました。


「ほれみろ。あみださまは『食わん』と、おっしゃっておるぞ。


やはり、犯人はおまえたちだな!」




 和尚さんは、ついにとんちの一休をやっつけたぞと、


心の中で喜びました。




 しかし、そんなことでやられる一休さんではありません。


ますますとぼけた口ぶりで、言いました。



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「たたいたくらいでは、白状しませんね。こうなったら、


あみださまを、


釜ゆでにしましょう」




と、言って、湯の煮えたぎった窯の中に、


あみださまを入れたのです。


すると、あみださまは、


「クッタクッタクッタ」


と、あわをふきました。




「ほらね。あみださまが


『食った食った』と、


白状したでしょ」




 これには和尚さんも



「う~ん、そういえば、そうだなあ・・・」



と、答えるしかありませんでした・・・。




備考:この内容は、2011年9月22日発行 ナツメ社

「母と子のお休み前の小さなお話 365」より』紹介しました。