「月の色が日によって違って見えるのはなぜ?」
月の色が、日によって違って見えることにお気づきの方は多いだろう。よく見ると、
青白かったり、黄色かったり、赤みを帯びたりと日々変化しているのである。
空気がよく澄んで大気中にホコリや水蒸気が少ないときは、月が青白く見える。月の光が
大気中であまり散乱せずに、地上に届くときは青く見えるのだ。大都会で、青白い月を
見る機会が少ないのは、このような理由による。
ところが、ホコリや水蒸気にぶつかると、波長の短い青白い光は散乱して黄色い光に
見えるようになる。黄色の濃さは、ホコリや水蒸気の量により変化する。
また、月が水平線近くにあるときは赤っぽく見える。月が天空にある時より水平線上
にある時の方が、月の光は、長い空気の層を通ることになる。すると、ホコリや
水蒸気が多いために、青色などの光は散乱してしまい、波長の長い赤みがかった色の光が地上
に届く。そのため、私たちの目には赤い月に見えるのだ。
同じ月は月でも、田舎で見る月と都会で見る月の色が違って見えるのは、このような
わけなのだ。昔よりも現代の方が、さまざまな色の月を見ることができて得をしている
のかもしれない・・・。
(備考:この内容は、1997年5月10日発行 コスモ出版「通勤電車を楽しむ本」より紹介しました。)


