オタマジャクシといえば、カエルの幼体である。
カエルの一生は、卵からオタマジャクシ、オタマジャクシに
やがて手足が生えて、成体になる。教科書でも、そう習ったはずだ。
だが、すべてのカエルが、卵 → オタマジャクシ → カエルという成長を遂げる
わけではない。世界には、オタマジャクシにならず、直接成体になってしまうカエルが
少なからずいるのだ。
その代表が、コヤスガエル属と、その仲間である。このうち、キューバコヤスガエルは、
体長1cm程度と、世界最小のカエルである。
ふつう、カエルは水辺に卵を産むが、コヤスガエルらは湿地に卵を産む。湿地では
オタマジャクシの状態では生きられないから、成体と同じ姿で孵化するのだ。
オタマジャクシにならないカエルは、けっして例外的なカエルではない。じつは
カエル800種類のうち、20%はオタマジャクシを経ない、直接発生型のカエルなのだ。
ただ、日本では、カヤスガエルのような直接発生型のカエルは存在しない。彼らは
日本の生態系を乱すとみなされ、環境省は外来生物の規制対象に指定している・・・。
備考:この内容は、2012年5月25日発行、
夢の設計社 「誰に話してもすべらない雑学」より紹介しました。