漫画家・水木しげるの代表作である『ゲゲゲの鬼太郎』は、日本的な妖怪の
世界を描きながら、「南蛮妖怪」や「西洋妖怪」など、いまでいうグローバルな視点
が持ち込まれているところが、魅力の一つである。
鬼太郎の”悪友”として、ときには見方となり、ときには敵にもなるトリックスター、
「ねずみ男」もまた、どうやら日本の妖怪ではないらしい・・・。
ねずみ男は、アニメでは第2話から登場する。ハンガリーからやってきた
ドラキュラ4世の使用人だったねずみ男は、鬼太郎の父である目玉おやじを危機から
救ったことで、鬼太郎との関係がはじまる。
といっても、目玉おやじを調理してドラキュラ4世に食べさせてしまうのだが、
目玉おやじは、鼻の穴から抜け出して事無きを得ている。ちなみに、「ゲゲゲの
鬼太郎」では主要キャラクターも意外にあっさりやられてしまうことが多く、鬼太郎
もカマボコにされてしまったことがある。
「ねずみ男」というのは俗称で、本名は「根頭見ペケペケ」。ペケペケとは
水木しげるが太平洋戦争で出征した南方の言葉で「クソ」の意味である。
生まれは「人間界と地獄の中間にある場所」となっていて、そこから現世に迷い
込んだという設定。妖怪なのに、たぶんに「人間くさい」性格なのは、そのせい
なのかもしれない。
ちなみに、水木しげるはインタビューなどで、「もっとも好きなキャラクターは
なに?」と聞かれると、かならず「ねずみ男」と答えている・・・。
備考:この内容は、2012年5月25日発行 夢の設計社
「誰に話してもすべらない雑学」より紹介しました。