画像は「アンストッパブル」
もうだいぶ昔のことらしいけど黒澤明監督の書いた
シナリオが、ハリウッドに眠っていたのを脚色し直して、
ソ連出身のアンドレイ・コンチャトフスキー監督が、
メガホン取った。主演が’78年「帰郷」のオスカー俳優
ジョン・ボイドということもあって、’86年の公開前には大変
な騒がれようだった作品。
ところが実際はあまりヒットしなかった。
私が思うところ しぶすぎたんだ。アラスカの荒涼とした
雪原を舞台に繰り広げられる男臭いアクションは、’86年に
あって重すぎた。この年、洋画の配給収入ナンバー1
だったのは「バック・トゥー・ザ・フューチャー」、続いて
「グーニーズ」だもの・・・。
私も見終わって力作だなあと思った
ものの、「ああ、しんどい」と感じた。力を抜いたところが
全くないからね。だから、これから見ようとする人には、
体調がベストで腹に応える奴を見たい時に、ご覧に
なるよう勧めたい。
さて物語は、厳冬のアラスカ、刑務所で2人の凶悪犯が
知り合うところから始まる。ボイド演じるマニーは、
バックという若者(エリック・ロバーツ)うを連れて脱走
を果たし、逃走するため貨物列車に乗り込む。ところが、
心臓発作を起こした機関士が列車から転落。運転制御を
なくした列車は暴走を始める。
管制室では列車を引き込み
線に誘導し、脱線させようととするが、彼らのほかに
女性乗務員が乗り合わせていることを知り、計画を断念した。
刑務所からはマニーらを追って、所長らがヘリコプター
でやってきた。列車に飛び乗った所長とマニーが
戦ううちにも、列車はデッド・エンドに向かって走る。
何もかもが凍りつく寒さと驀進する鉄の塊だけでも、
十分に暴力的だが、映画の中ではマニーとバックに潜む
獣性をクローズアップしている。それらが重なり合った
ときに、うっとうしいと感じてしまうかどうかが、この
作品の好みの分かれ目だろう・・・。
ちなみにボイドを相手に健闘しているロバーツは、今や
大人気スター、ジュリア・ロバーツの兄さんだ。この
作品での飛躍が取りざたされていたのに、以来活躍を
見ない。そうこうするうちに、妹はスターダムを駆け上って
しまった。きっと、この映画ではいろんな人の誤算が
あったんだろうと思う・・・。
(光武俊子)
備考:この内容は;1992年4月25日発行 自由国民社
「総解説 必見!ビデオBESTセレクト300」より
ご紹介しました。
編集後記:
Q太郎> そういえば職場にも1人、暴走機関車がいるね・・・?
とら> それは、お前のことだろ!
大体、上の画像は最近の「アンストッパブル」だろ!
本物の「暴走機関車」の画像はこっちだぜ!
Q太郎> 「秀秀」ポッポー!
とら> おい、いいかげんに「やんちゃ」をなおして「くれない」か?