歌姫を広めた”n次創作”カルチャー
青緑のツインテールとニーハイソックス、
透き通った合成ボイスで舞い踊る初音ミク。
見た目から”キャラ萌え”と思われがちだが
人気の理由はそれだけではない。
その楽曲が幅広く支持され始めた裏には
”n次創作”という独自のカルチャーがあった。
KARAOKE
大人の知らないボカロ曲をカラオケで若者が熱唱
カラオケでもボーカロイドの楽曲は大人気、JOY SOUNDでは、
07年の暮れに、まず2曲の配信を始めたが、今では1700曲を超える。
今年2月の月間チャートでは、AKB48『ヘビーローテーション』を押さえて
初音ミクの楽曲が総合1位。3位にもボーカロイドの楽曲が入った。
GAME
ボカロ曲を使った音楽ゲームも登場
”歌姫”である初音ミクは、音楽ゲームの世界にも
流出。第1弾は09年7月にセガより発表されたPSP版
『初音ミク、Project DIVA.』。翌年の『2nd』
は、約36万本とシリーズ最大のヒット作となった。
同年にはアーケードゲーム版も稼働。人気の高い
ボカロ曲が多数収録され、映像と共に楽しめる。
LIVE
海外での初の単独ライブも大成功
初音ミクが映像で登場し、人気の楽曲を歌う
『ライブ』も盛況。3月9日はミクの日ということで2010年
から『ミクの日感謝祭 39’s Giving Day』が開催
されている。海外では2011年7月、米、ロサンゼルス
の『Anime Expo 2011』の一環で『MIKUNOPOLIS
in LOS ANGELES』が行われた。
『MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES』は3月
に発表された、デジタルメディア協会主催の
『デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’11/
第17回 AMDアワード』で『大賞/総務大臣賞』
を受賞した。
CD
メジャーアーティストも初音ミクとコラボ
ボーカロイドの楽曲を収めたCDは多数発売されており、昨年はコンビ盤『EXIT
TUENS PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク』がオリコン週刊チャート
で1位に。『ボカPp』と呼ばれるクリエイターたちのメジャーデビューも相次ぐ。
3月末には小室哲哉もボーカロイドのアルバムを発売し、初音ミクとコラボ。
CM
米国トヨタに続き、グーグルもCMに起用
これまでレディー・ガガ、
ジャスティン・ビーバーが起用された
「Google Chrome』の
キャンペーンCMに登場。インターネットと
Webを積極的に利用
する象徴として、初音ミクを題材
にした作品と、その”n次創作”
を楽しむ人々を描いた。CM内
に登場するのは、すべて、本当
に初音ミクを使って何らかの
表現をしている人々。
備考:この内容は、「日経エンタテイメント 5月号」より紹介しました。