ここで会える
リアルからバーチャルへ増えるAKB48との接点

AKB48は結成当時から、
東京・秋葉原の常設劇場
「AKB48劇場」での連日公演を
行い、「会いに行けるアイドル」
として人気を集めた。
だが、劇場
の収容人数が250名と少ない
ことから、人気が爆発して以降は、
公演はプラチナチケットになって
いる。
全国で行なってきた握手会も、
メンバーのスケジュール調整が
難しくなってきた。2月15日に
最新シングルが発表されるさなか、
昨年10月に発売された2枚前の
シングル「風が吹いている」の全国
握手会が、関東地区では2月に
ようやく開催される。AKB48が巨大
プロジェクトになるにつれて、
「会いに行ける」の要素は、
ゆらぎつつある。
そこで、最近はファンとメンバー
がバーチャルで交流できる
仕掛けをスタートさせるようになった。
11年の「選抜総選挙」や
「選抜じゃんけん大会」などは、全国の
TOHOシネマズなどの映画館で
同時中継。9月にはJR秋葉原駅
前に「AKB48CAFE &
SHOP AKIHABARA」が
オープン。予約制のシアターエリア
では、直近の劇場公演を大型
スクリーンで鑑賞できる。
昨年12月20日に東京ドーム
シティホールで開催したイベント
「AKB48紅白対抗歌合戦」は、
You Tubeでも生中継。さらに
Googleの情報共有ツール「Google+」
の機能を使いメンバー
ごとのオリジナル映像を配信した。

11年12月に始まった「Google+
を活用したプロジェクトは、
AKB48の新戦略の軸に位置
づけられている。記者会見では
AKB48総合プロデューサーの
秋元康氏が「もともとのコンセプトで
ある『会いに行けるアイドル』が
だんだん難しいものになってきて
おり、ファンとメンバーがどの
ようにつながっていくかを最大の
テーマとして考え、Googleの
サービスを活用することに
なった」と語った。
新しいファンとの交流手段
「Google+」には、AKB48
と姉妹グループ約200人の
個人ページがあり、各メンバーが
リアルタイムで日常の出来事や仕事
の感想などを書き込み、それに
対しファンやほかのメンバーが
コメントできる。
また、「ハングアウト」
機能を使って、メンバー本人と
9人のファンがビデオチャットを
することなども可能だ。
主にテレビ
などのマスメディアでAKB48に
接してきた新しいファンにとって
は、こうした仕掛けはバーチャル
とはいえ、むしろメンバーとの
距離を近く感じられる、新鮮な試み
に映るかもしれない。
一方で、12年は47都道府県での
コンサートツアーが予定され、
メンバーのほうから全国のファンに
会いにいく。形を変えながらも、
可能な方法を模索して、「会いに
行ける」という基本コンセプトを
守っていこうとしている。
備考:この内容は、「日経エンタテイメント 2012年3月号」より紹介しました。