デ○ズニーランドって、どうしてあんなに楽しいんでしょうね? これを読んでいる
みなさんの中にも、好きな人はたくさんいるでしょう。もちろん、私も大好きです。
ここでは、デ○ズニーランドへ行く人が
かけられる魔法を解き明かしながら、大人の
デ○ズニーランドの楽しみ方をいくつか
お教えしましょう。
まずは電車でデ○ズニーランドへ行く人にお話します。
さて、いま あなたは舞浜のホームにいます。デ○ズニーランドへ行きたい気持ちを
押さえて、電車が発車するのをちょっと待ってみてください。すると聞こえてくるのは、
ファンにはおなじみのメロディ。舞浜駅は「It's A Small World」など、デ○ズニーの楽曲を
発車メロディに採用しているんですね。
駅に降りたところから、いきなりデ○ズニーの曲が聞こえる。これは嫌が応でも気分が
高まります。ここでワクワクしたあなた、すでにひとつめの”魔法”にかかっていますよ。
でもこれはまだ序の口です。
改札を出ると、入口まではしばらく歩かなければなりません。これ、不思議に思い
ませんか? なぜ駅から入口までまっすぐに道を作らずに、大きく迂回させるのか?
実はここにも”魔法”があるのです。わざと5分間は歩かせるようにしてあるのです。
人間が「現実」から「夢の国」へと頭を切り替えるために、最低必要な時間なのです。
また、すぐに入れないことで、「ああ、早くいきたい」「楽しみ~」と考える時間ができ、
期待もふくらんでくる。そこがねらいです。
さらにさらに・・・。途中の「ボン。ヴ○ヤージュ」から入口へ向かう道。実は
ゆるやかな下り坂になっています。これ、たまたまではありません。下り坂になっているのにも
ワケがあるんです。しかも「ゆるやか」というのがポイントです。
下り坂だから、どうしても急ぎ足になりますね? しかし、「ゆるやか」だから本人は
それほど意識していません。
ここを歩いていると、知らず知らずのうちに足がスイスイ進み、鼓動も早くなってくる。
気がつくと「あれ、私、デ○ズニーランドに向かって急いでいて、胸が高鳴っている!
こんなに楽しみにしてたんだ」となっているのです。
ここは、帰りは逆にちょっとだけ上り坂になります。夢の国で遊び、心地よい疲労感の
なかで舞浜駅に向かう時、行きとは逆に足が重くなります。「ああ、体が重い。」現実に
戻りたくない~」という気分にさせて、相対的にデ○ズニーランドでの時間がより素晴らしく
思えてくるんですね。
しかも、その途中にまるでオアシスのように「ボン・ヴ○ヤージュ」があります。
行きは素通りしても、帰りは離れる寂しさから、ついつい立ち寄ってしまう。多くの人が
このショップでお土産を買ってしまうのも、見事に計算通りなのです。そしてもう一つ、
この建物の目的は、ゲストのみなさんに帰りに最後まで「駅」という現実を見せないために
建てられているのです・・・。
つづくかも
2001-11-29発行、竹書房、 関暁夫著「都市伝説 3」
より紹介しました。