自虐ネタにさらに磨きがかかると同時に、絵の才能も開花し始め、
まさに復活の言葉がぴったりなヒロシさん。「消えた?」と言われて約5年、
一体何を考え、どうしていたのか、率直に語ってもらいました。
聞き手/富田陽美
”あの人は今”になったヒロシ
富田> テレビによく出ていたのは、2004年から2005年ぐらいでしょうか?
ヒロシ> そうですね。あのころはよく取材してもらいましたよね。だけど、テレビに出始めてから
すぐに、ブログのたぐいでは、”消えた人”とか、”あの人は今”みたいに言われてました。でも
旅番組とかラジオも、ちゃんと去年まで仕事をやっているんですよ!たぶん、「アメトーク!」と
かに出てないから、芸人をやめたとか思われているんだろうな。
富田> 出演したいと思えば、出られたんじゃないですか?
ヒロシ> でも、面白いことを言える自信のないときに、ああいう番組に出たら失礼だと
思って・・・。スベって笑われるような芸風のたぐいは、僕のハートでは耐えられないんです。
富田> 最近は俳優の仕事なんかもされてますよね?
ヒロシ> ドラマ的なものから、大林宣彦監督の映画にも3作品出させていただいてたり、舞台にも
出ていたんですよ。でもやっぱり、お笑い芸人はネタ番組とかに出ないと、”あの人は今”に
なっちゃうのかな。
富田> ヒロシさんはピン芸人なのに、どうしていままで「R-1ぐらんぷり」に出なかったのですか?
ヒロシ> 世間の人はもう僕のことを”つまんない人”って思っているんじゃないかなって。というのも、
2007年ごろから一時期、営業でお客さんの反応が明らかに悪くなったんです。舞台に
立った瞬間にスベる空気がプンプンしてるんですよ。だから、「あ、俺は結局、テレビに出てい
たからウケたんであって、もともとはそんなに面白いネタじゃなかったんだ」って、思うようにな
りました。
そういう考え方が続くと、日本全国の人からバカにされているような気分になるんです。
富田> 確かに、「R-1ぐらんぷり」には、「絶対に自分が一番面白い!」と言う気持ちで
向かわないとね?

ヒロシ> だから、エントリーすることなんてできないですよね。
つづくかも