散歩中に立ち止って動かなくなるときは?
ほとんどのイヌは散歩が好きです。飼い主がリードを持ち出しただけで、
そわそわして嬉しそうな仕草を見せます。
ところが大好きな散歩中、ぱたりと立ち止まって動かなくなってしまうこと
がありませんか?「さあ、行こう!」とリードを引っ張っても、動こうと
しません。なかには、その場に座り込んでしまうイヌもいます。
散歩中に立ち止るのには、いくつか理由が考えられます。まず、足にトゲ
やガラスの破片などが刺さって痛みがある場合。また、真昼の散歩で熱さに
へばってしまったというケースも考えられます。病気で具合が悪いのかも
しれません。
体調が悪そうなときには無理をさせず、すぐに帰りましょう。様子を見て、
歩くのもつらそうだったら抱いて帰ってください。体調が崩れたほどではなく、
疲れがたまって座る場合もあります。その場合はしばらくすると、また歩き
始めるはずです。
ちなみに散歩ルートの途中で工事をしているなど、いつもと様子が違うため
に、おびえて立ち止ってしまうことがあります。騒音や見慣れない人が大勢
いるなど、普段とは雰囲気が違うので怖がっているのです。
こんな時は無理に引っ張らず、しばらく様子を見ます。それでも怖がって
動かないようなら、別の道を通りましょう。イヌの恐怖がしばらく
落ち着いてくれば、自分から立ち上がって歩きはじめます。歩く様子を見せたら、
すぐに褒めてあげます。
座り込んでしまった時に、「どうしたの?」「いい子だから歩いて」などと
声をかけて体や頭を撫で、お気に入りのおもちゃを出して気を引こうとする
と、イヌはかえって「飼い主に構ってもらった」と解釈してしまいます。
すると、座り込めば飼い主に構ってもらえると勘違いして、散歩中に何度も
立ち止るクセが付いてしまうかもしれません。
散歩中に動かなくなるのは、基本的にイヌが主導権を発揮しているときで
す。「自分の思い通りに歩きたい」と意思表示しているわけですが、
主導権はあくまで飼い主にあることをきちんと教え込むことが大事です。
とはいっても散歩中、飼い主がつまらなさそうに歩いていると、イヌも散歩が
面白くないと感じてしまいます。立ち止ったときに無理にリードを引いて
歩かせると、ますます散歩に不快感を抱くだけです。
日ごろから散歩が楽しいものだと思えるよう、飼い主は気を配りましょう。
毎日同じコースを歩くのではなく、ときどきルートや歩くペースを変えたり、
途中で公園に寄って変化を付けるなど、いろいろ工夫してみてください。
この記事は、PHP文庫 わんこ友の会 しぐさでわかる「イヌの気持ち」
より お借りしました。