最高速度が100km、なぜ車のメーターは180kmまである?
高速道路でスピード違反。切符を切られた時に思わずこう反論したくなった人は多い
のではないだろうか。「だったらどうして180キロも出るクルマを売るんだよ」。
そうなのだ。日本の高速道路で制限されている最高速度は100キロ。まあ、120~
130キロはときどき出すとしても、180キロのスピードメーターは宝の持ち腐れと
いうものではないか。どうしてそんな早いクルマを売るのだろうか。
最高速度が100キロなのだから、それ以上のスピードが出るクルマを売ってはいけない、
と警察が決めれば話が早いのだが、この資本主義社会ではクルマの性能まで管理する
権限はないというのが事実である。クルマは何キロ出ようが、ドライバーが100キロを
守ればそれでいいというだけだ(ただし国産車は安全のため180キロ以上出せない細工
がしてあるらしい)。
つまり、180キロというメーターは、メーカーが勝手に(?)つけたものなのだ。
あるメーカーの言い分では、ドライブ中に障害物をよけたり危険回避することも考えると、
100キロ以上出せるパワーは必要だという。それにクルマは国際商品なので、輸出する
国によって速度制限が150キロだったりするところもある。要は、180キロくらい
までは出せますよ、という余力を示すものらしい。
もちろん、180キロで走ってくださいという意味でメーターを付けたのではないだろう
が、こんな道路事情のよろしくない国で180キロ、出せと言われても出せないのが
現状ではある。
テレビや映画の「特別出演」「友情出演」ってなに?
ドラマなどの最後に流れる出演者の名前のテロップの順番は、一番最初が主役、
最期が準主役、その間がドラマ中の存在の重要度の順、というのが一般的なパターン。
そんな中で「特別出演」付きで名前が出てくるのは、たいてい大物俳優のはずだ。それ
も主役でも準主役でもない真ん中あたりに出てくる。
つまり、当然主役を張るランクの俳優に脇役、チョイ役で登場してもらう場合、その
俳優さんの高い地位に対する敬意の証、ギョーカイの語りつくせぬしがらみなど、さまざま
な思惑を込めてつける”冠”なのだ。大物であってもチョイ役程度の出演料しか払えない
ような状況も、特別扱いを意味するこの冠でフォローするらしい。
「友情出演」も似たようなもの。これは主役や監督、プロデューサーなどの交友関係から、
またまた大物に脇役、チョイ役で出演してもらう時に使う。「ホントなら断る役なのに、
○○ちゃんの友人のよしみで出てます」と、オールスター・キャスト・ムードを盛り上げる
いわゆる”箔”なのだ。
ドラマの裏のもっと生々しいドラマが、あのテロップの中に
展開されているというわけだ。
CMに入るとTVの音量が大きくなるのはどうして?
人間が音の大小を認識するのには音の密度が影響している。密度が高い音とは、
高レベルの連続した音ということができ、それが人間の耳に大きい音として聞こえるわけだ。
逆に、音のレベルにバラつきがあると密度は低くなり、単発の音が大きくても全体としては
小さい音に聞こえることになる。
放送基準法により、出せる音量は本編番組をCMも、100デシベル(音の強さを表す
単位)に制限されている。できあがったフィルムのチェックはもちろん行われており、
物理的にも一定以上の音量が出ないように制御されているので、CMの音が絶対的に
大きいとは言えないのは事実らしい。
それでも、メーカーや広告代理店がCMの効果を上げるために、基準ギリギリの高い
レベルの音を連続して発信していることは容易に想像がつくので、視聴者は番組内の音より
も大きな音に感じる、というのが本当のところだろう。
また、番組の場面場面でも音量に変化があり、静かな場面からCMに入れば当然かなり
大きく聞こえてしまう。そういった感覚的な部分も影響して、相対的に音が大きく
聞こえてくるのである。
備考:この内容は、コスモ出版 通勤電車を楽しむ本 上り編 より お借りしました。