ANAmの底が薄暗く、空気も薄かった。
さらに、周囲の壁は崩れやすく、自力で
脱出することは不可能に近い。
こういうときは、あまりしゃべらず少しでも
酸素を節約する。私は、危機的状況に
陥っても冷静さを欠くことなく、適切に
対処していた。
しかも、ジェントルな私は、少しでも山田が、楽に息をできる
よう、極力呼吸も抑えている。
そんな厚意も知らず、山田は思い切り深呼吸を
始めた。山田、頭が悪いにもほどがあるぞ!
数分後、ANAの周囲を調べていた私は、
土の中から白骨化した〇体を発見
してしまった。
もしやこれこそ、いまだに発見されていない「川島」では?
だとすると、彼は事故〇ではなく、
何者かによって〇され、この場所に
埋められたことになる...。
私は、今一度、頭の中を整理してみることにした、
昨日、起きた第1の事件、
来栖女史の心臓麻痺だが、あれはやはり
何者かが扮装した落ち武者に驚いた
ことが原因だろう。
突然、鳴り出した着メロは、テープレコーダーのトリックを
使った景子のちょっとしたいたずら
だったお思われる。そして、5年前
事故〇した川島が、本当は何者かに、
〇されていたとすると...。
そこまで考え至った時、田島の声が聞こえ、
頭上からロープが下りてきた。
ようやくANAから脱出した私たちを
待ち受けていたのは亀岡だった。
私がすかさず問いただす。
「六つ墓村で起きた一連の事件を仕組んだのはお前だ!」
亀岡は、私の迫力の前に恐れをなしたのか、
勘ねんしたように真実を語り始めた。
...5年前、六つ墓村に観光開発の話が
持ち上がった時。亀岡は地元の業者と
癒着し巨額のわいろを受け取っていた。
しかし、それを警察に突き止められ
そうになり、当時、部下だった川島に、
すべての罪を着せ●害。
しかし、彼は、〇に際に、
亀岡たちの罪を暴く証拠を残してあると
言い残した。
「落ち武者の剤負の謎を解いた人間が
それをはkkぇンするはずだ」と。
それ以来、亀岡は毎年1月11日になると、
財宝目当てで、やってくる人々に
証拠を見つけられはしないかと
おびえていた。
毎年、旅館で〇人が出るのは、
人々に落ち武者の祟りを
信じ込ませ、宝さがしを止めさせようと
亀岡が仕組んだことだったのだ。
そして今年、
女史たちが落ち武者の謎に迫って
証拠を見つけそうになったことを知った
亀岡は、2人の抹〇を決意。
まずは、栗栖女史に心臓麻痺を起こさせて〇害。
さらに、景子には着メロのいたずらを暴露すると脅し、
みんなの前で苦しむ
演技をするように仕向けると、
こちらもまんまと毒〇に成功した。
やはり、私が考えていた通りだった。
後は、警察に連絡し、亀岡を逮捕
させればこの件も終わりだ。
そのとき、平蔵がひょっこり姿を見せた。
我々の帰りが遅いので、様子を見に来たらしい。
これは、ちょどいい。亀岡の自白も済んだことだし、
ここらで、すべての真実を
明かそうではないか。
じつは、洞窟に会った〇体は、川島のものではない。
〇体の側には美佐子から平蔵に宛てた、こんな手紙が
落ちていたのだ。
「平蔵さんへ、
どうして来てくださらなかったのですか?
財産とか顔の良しあしとか、そんなもの関係ない
のに。私はここで息耐えるでしょう。
〇ぬ前に一度でいいから、あなたに
抱かれたかった...」。
平蔵は、この事実を知り、
その場で泣き崩れた。
ところが、あくどい亀岡は、〇体が川島のものでないと
わかると態度を一変。
自分は事件と一切関わりがないと、
しらを切り始めた。しかしその時、私は
すでに動かぬ証拠くぉ2つも容易していた。
1つは、消えていた景子のテープ。
これには、川島が肌身離さず身に着けていた
お守りの香りの匂いがたっぷり
沁み込んでいて、ヤツが景子を脅していた動かぬ証拠になる。
さらに、落ち武者が血の涙を流す掛け軸の裏に、
収賄の事実を示した亀岡名義の高額の
領収書を発見していた、
これこそが、川島が遺した証拠だったのだ、
ここに至って、亀岡はようやくすべての罪を認めた。
それにしても、今回もまた私1人で、
事件をスピード解決してしまった、
しかも、自分でも恐ろしくなるほど
”ぷっつりと”だ。
こうなったら、世にあふれる
超常現象など片っ端から
私が解明してやる。
超常現象よ、ど~んと来いだ!
備考:この内容は、
2002-11-30
発行:学習研究社
著者:上田次郎
「どんと来い、超常現象」
より紹介しました。