
食事のあと、ネコが舌で、口のまわりを
ペロペロなめているのは、よく見られるネコの
行動です。
これは、口ヤヒゲにまでついた食べカスやニオイを、
なめて消そうとしているもので、
かなり念入りに、おそうじします。
それが、エスカレートすると、
前足をなめて、
顔まで洗ったりします。

ところが、ごはんのあとでもないのに、
ネコが舌で、口のあたりや、鼻をなめるしぐさを
見せることがあります。
これは、心にためらいが生じて、
その気分をどうにか落ち着かせたい、
という気持ちになったときに
行うと考えられています。
たとえば、ネコの目の前を飼い主のスリッパが、
パタパタと行ったり来たりして
いたとしましょう。
ネコは、当然のように、狩猟本能をくすぐられて、
そのスリッパに、飛びかかりたい
衝動に駆られます。
ところが、以前に同じような場面で飛びかかったときに、
興奮のあまり飼い主の足を、ひっかいて、
あとで、こっぴどく叱れらてしまいました。
その記憶がよみがえり、
飛びかかりたいという動物ならではの
欲求に対して、一歩が踏み出せずにいます。

すると、ネコにとって抑えがたいほんのうと、
シグナルの点滅する危険信号とが、ごちゃ混ぜになり、
行動を起こすかどうか、
心の中に迷いが生じます。
そんな相反する感情で
動揺したときなどに、
ネコは舌を出して
口や鼻をなめてしまうのです。

これは、”転位行動”と呼ばれるもので、
ネコが動揺を鎮めようとするときに見られる
しぐさの1つです。
人間も、困ったときに、頭をかいたりしますが、
それと同じ意味合いをもちます。
興味があるのに、行動を起こせない葛藤を、
口や鼻の周囲をなめる行為で、
代償しているのでしょう。
あなたのネコが、歩き回る、
あなたの足元を見て、
口のまわりをなめていたら、
動くのを止めて、
遊びに誘うなどして、
気を紛らせてあげたほうが
よいかもしれませんね...?
備考:この内容は、
2020-11-10
発行:扶桑社
「ネコの気持ちが
おもしろいほどわかる本」
より紹介しました。