だって、デザイナーなんだもん!
先述の通り、私の本業は、プロダクトデザイナーである。
デザイナーの仕事とは、簡単に言えば、新しいアイデアやイメージにカタチを与え、
新しい価値を“創る”ことと理解している。
うまく新しい価値が生み出せれば“創る側”の目標は、ほぼ達成したといえる。
初めてのプロジェクト参画の折にも、IT分野とはいえ、新サービスという価値を
“創る側”として、デザイン分野でのノウハウを活かすことができたように思う。
しかしである。
いざこの新サービスをどうやって世に広めていけばよいのか?“売る”方法論がわからない。
予算の無いたった数名の美大ツナガリ集団は、この新しい価値を一機に社会全体に分配し、
換金するプロフェッショナルなノウハウを持ち合わせていなかった。
だからデザイナーって、あんまり儲からないのかなあ…。
宣伝企画マンや営業マンの友人達に相談しても、仮に潤沢な予算があったにせよ、
カタチも無い新しいアイデアを“売る側”の苦労は、並大抵のものではないらしい。
例えこのサービス自体が、次世代の主流になる可能性を多分に秘めていたとしても…。
結局、プロジェクトは、一旦暗礁に乗り上げてしまったようだが、
この経験を通じて学ぶべきことは、私のように“創る側”の人間が、“売る側”に立つには、
暗中模索しながらも、宣伝や営業の新しいアイデアを“創る”しかない…ということである。
だって、だって、デザイナーなんだもん!