はい、こんにちは。佐賀の人です。さて、今回は、福岡県飯塚市に在る、筑前内野駅について述べたいと思います。筑前内野駅は、筑豊本線の非電化区間、所謂「原田線」の区間に在る駅です。駅名標を見ると明らかに「福岡県飯塚市」の部分が後から付けられたように見えると思いますが、2006年まではこの一帯は「嘉穂郡筑穂町」に属していたそうです。この駅が開業した当時、まだ桂川駅が長尾駅と呼ばれて居た頃の事ですが、その頃は長尾~上穂波間の建設予定しかなかったそうで、内野を終点とすれば町の知名度が上がるとして内野の住民の強い要望により長尾~筑前内野間が開業したものの、1年で原田迄延伸して仕舞い、この駅が終点として扱われていた期間は当初の思惑から外れ非常に短い期間であったことが知られて居ます。

 ところで、此の駅名標って非常に特徴的だとは思いませんか? まず、漢字表記が丸括弧で囲まれて居る点からして特徴的です。加えて、日本語は丸ゴシックなのに対し、英字表記は細めのセリフ体なのもこの駅くらいでは無いでしょうか。横線1本しかないレイアウトも特徴的ですし、何より名勝が駅名標の下に少し表記されて居ると云うのも非常に珍しい部類だろうと思われます。他のツッコミどころとしては、ローマ字がヘボン式ではなく訓令式なのも面白いですね。たとえば、「ち」にあたるローマ字は、基本的に「CHI」が普通だと思われるのですが、此の駅名標では「TI」に統一されて居ます。僕としては、此れでは「ティ」と発音されて仕舞うのではないかと思うのですが、一応斯う云う表記法も存在する(何なら小学校の「総合」で扱うので義務教育内容です)ので、間違っていると声高に言う事は出来ないでしょう。ただ、此の表記が海外からの渡航者などと云ったローマ字表記を実際に必要として居る層からの需要に即して居ると本当に言えるのかについては非常に微妙な点があるものと思われます。

 さて、「名勝」の欄にも書いて御座いますが、内野には長崎街道と呼ばれる街道が通って居ます。内野には元々内野宿と云う宿が在り、それで栄えた宿場町なのです。長崎街道と云えば、小倉から佐賀方面を繋ぐ街道ですが、どうも折尾と原田の間は現筑豊本線沿いを通って居た様なのですね。即ち、現在の福岡市を通って居ない訳です。この点も佐賀出身としては非常に興味深い内容だと思いました。こうした街道に関しては石碑や文献なども多く残って居り、今でも追跡しやすいので、非常に面白いと思います。

 以上にしましょう。ありがとうございました。