毎週楽しみにしている番組がある。
二つとも、土曜日と日曜日に二度放送している。おそらく静かな人気があるのだろう。
一つは「ポツンと一軒家」。
もう一つは「小さな村の物語 イタリア」である。
「ポツン」は単に、人里離れた家の生活を描くだけでなく、小さい頃に生まれ育った家に定期的に帰ったり、移住したりして、とにかく実家を守ろうとする人間模様が共感を呼ぶのだろう。
「イタリア」は、生まれ育ったところで、都会に行くこともなく、淡々と人生を歩む番組である。実に質素だが、幸せな人生で、特に家族や近所を大事にするのである。日本人はやたら海外に行きたがるが、イタリア人には、ずっと自国にいても幸せを感じる人もいるのである。
「ポツン」は戻ってくる鮭のようであり、「イタリア」はかつての昭和の時代を感じさせ、おそらく大半は高齢者が見てるのだと思う。ノスタルジー番組である。
しかし、「ポツン」とは裏腹に、実際は、日本人は故郷を捨て、都会に住んでいる人が多いのだ。空き家は増える一方だ。
また、「イタリア」のように、田舎の人間関係が煩わしく感じ、都会の居心地の良さを、感じている人も多いと思う。
結局、実際は都会の生活に浸りながら、矛盾だが、テレビ番組で「田舎や実家の良さ」を感じたいのであろう。
これを見て、罪滅ぼしをしているのかもしれない。
わたしも、
田舎に帰って、野菜を作ったり、近所からいろいろ干渉されり、昔からのルールに従うのは、真っ平である。めんどくさい。
都会には都会の厳しさがあり、金もかかり、競争も激しいが、田舎はやっぱりゴメンで、二つの番組で、田舎に帰った気になり、精神のバランスを保すことで精いっぱいである。