ああ玉杯に花うけて | qqwwzxcのブログ

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 豆腐屋(とうふや)のチビ公はいまたんぼのあぜを伝ってつぎの町へ急ぎつつある。さわやかな春の朝日が森をはなれて黄金(こがね)の光の雨を緑の麦畑に、黄色な菜畑に、げんげさくくれないの田に降らす、あぜの草は夜露からめざめて軽やかに頭を上げる、すみれは薄紫(うすむらさき)の扉(と)を開き、たんぽぽはオレンジ色の冠(かんむり)をささげる。堰(せき)の水はちょろちょろ音立てて田へ落ちると、かえるはこれからなきだす準備にとりかかっている。