人々に寄り添い、時を経るほど味わいを深めてきた湯処があるそうだ。
日本の原風景が息づく秋田県・乳頭温泉郷。
ぷくり、ぷくり。
白濁した湯のあちらこちらから、小さな湯玉が絶え間なく湧き上がってくる。
ポスターでもよく見かける混浴露天風呂は、鶴の湯温泉を象徴する名物。
かがんで進むとにごり湯が体をすつぽり隠し、男女ともに気兼ねなく混浴が楽しめるようだ。
他にも浴場が多いからか人影はまばらで、湯船をひとり占めできる時間帯もあるそうだ。
夕食は山芋の団子を味噌で煮込む「山の芋鍋」やイナワの塩焼きなど、囲炉裏端の素朴な味わい。
黒湯温泉は秋田の藩主・佐竹家の湯治場で、かっては鶴の湯に対して「亀の湯」と呼ばれていたという。
卵を浸すと黒くなること、そして動物も人も病を癒やしに「来る湯」が転じて「黒湯」になったと伝わる。
冬季は道路が閉鎖されるため営業は4~11月のみ。
「妙乃湯」は他とは雰囲気の異なる黄褐色の湯が特徴で、タオル巻きでもOKだそうだ。
川沿いにある蟹場(かにば)温泉の露天風呂は開放的だが無色透明で女性は入りづらいようだ。
乳頭温泉郷にある蟹場などの7湯を湯めぐりするなら、入浴とバスをセットした「湯めぐり帖」が便利なようだ。