安土桃山時代に堺でつくられていたお酢にルーツを持つメーカー、タマノイ酢(堺市)は業界大手として生き抜いている。
歴史の荒波にもまれときた同社が生き延びてきたのは、拡大より信用を重んじてきたためだが、ただの老舗企業に陥らないように創造力を養ってきたことも大きいようだ。
具体的にどんなことをしているのか。
例えば本社ビル、1階フロアはホテルのような仕様で広々とし、無人ピアノが名曲を奏でる。
片隅にはバーがあり、商談や打ち合わせに利用できる。
オフィスも一風変わっている。
部署ごとの机の上にはパソコンを置かない。
パソコンを利用する業務は別の場所に確保している。
とりわけユニークなのが3階ジム・タマノイ酢は営業ノルマを課していないのに、なぜか1日30分の間のジム利用をノルマとしているのだ。
さて謎ルールをもう一つ。
社員を対象に医師のほか税理士やアスリート・栄養士になるための公募制度がある。
1963年に世界初の粉末酢の「すしのこ」が誕生。
自宅ですしを作るブームを作った。
そしてちょうど30年前に清涼飲料「はちみつ黒酢ダイエット」がお目見え。
守り攻める。
長きにわたる酢の「布教」活動は、戦国大名とも戦ったかっての堺のようなにおいを残している。