東京新聞4月11日朝刊5面「論説室から」を紹介します
 
 思いやり消えた自衛隊
 
 北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルに対し、地上発射型迎撃ミサイル「PAC3」が配備された石垣島。
 住民は「歓迎しているが、年寄りに拒否感が強い」という。
 
 「九条の会やえやま」の事務局長、新垣重雄さんは「戦争マラリアの記憶ですよ」と教えてくれた。
 太平洋戦争で沖縄本島へ米軍が上陸した後、旧日本軍は八重山諸島が攻撃を受けると判断し、石垣島の住民にジャングルが広がる山岳部への疎開を命じた。
 
 住む家もなく、食料も底をつく劣悪な環境。
 マラリアが発生し、他の島も含め、三千六百人以上が感染死した。
 これは前年、米軍の空襲で死亡した人数の二十倍にのぼる。
 結局、米軍の上陸はなかった。
 
 新垣さんは「疎開から戻ると、集落は荒らされ、牛も豚もみんな食われていたそうです。沖縄本島では住民が戦闘に巻き込まれたが、石垣島では日本軍に死に追いやられた」と話す。
 
 旧軍と自衛隊は同列視できない。
 東日本大震災での献身的な活動は石垣島でも評価されている。
 だが、今回、自衛隊は展開先の埋め立て地ではなく、遠回りとなる石垣港に陸揚げした。

 PAC3が通った市街地の道路は、旧軍が野砲を持ち込んだのと同じ道という。
 新垣さんは「あえてめだたせたところに部隊常駐の意図を感じる」と批判する。
 控えめで相手の心情をおもいやるじえいたいはどこへいったのか。
(半田滋)

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 対北朝鮮ミサイルの軍備というより、対中國の軍備の布石と感じますねねこへび