Up to you…45 | Qpのブログ

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個室に案内され、先に飲み物が運ばれてきた。

「じゃ~、ヒロのケガが治ったお祝~い♬」

スンリが仕切る。

「カンパーイ!」

それぞれにグラスを合わせみんな一気に飲み干した。

「あれ?ヒロはワインじゃないけどいいの?」

テソンが聞いた。

「だって、ご主人様がダメって言うんだもん」

口を尖らして文句を言う。

「飲んだらすぐ寝ちゃうだろ?肉食えなくても知らねーぞ」

「それもイヤだ」

しぶしぶビールを追加する。

肉が運ばれ、スンリが手慣れた手つきで焼いて行く。

「私がやるよ」

「いいの。これは俺の仕事だから!それに、今日はヒロがゲストなんだから!」

「うん…ありがとう」

スンリに任せてお腹いっぱい食べた。

アルコールが入って、みんなホロ酔い気分で機嫌がいい。

良かった…私の取り越し苦労だったみたい。
あの更衣室の出来事を心配してたけど…兄弟同然のメンバー…シコリなんて残さないんだね。

まだ食べ足りないスンリの為に、今度は私が肉を焼いてあげる。

「アツッ!」

「どーした?」

隣に座っていたジヨンが心配そうに覗き込んだ。

「…あ…大丈夫…ちょっと火傷しちゃったみたい…冷やしてくるね」

そう言って席を立った。

…おかしい…こんなに水ぶくれになるなんて…。

トイレに行く。
とにかく冷やそう。

あいにくトイレには長蛇の列だった。

…どうしよう…。

「あの…何か冷やす物ないですか?」
お店の人に声をかけた。

「火傷しちゃって…」

すると店員さんが、厨房奥にあるスタッフ用のトイレに案内してくれた。

「ありがとうございます」

水を流しっぱなしで、大きな水ぶくれができた右手人差し指を冷やす。

いつもなら赤くなるだけで済むはずなのに…。

冷たい水が他の指を凍らせる。

もう…こんなんでいいかな?

蛇口を閉めようとした時、聞き慣れた声が後ろからした。

「もっと冷やさなきゃダメだよ」

「タプ!…どーしてここに?」

「いいから!もっと冷やして」

そう言うとタプは私の後ろから手を伸ばし、右手を押さつけながら冷水を当てさせた。

タプの息が耳にかかる…。

洗面所の鏡を見ると、顔を寄せ合いピッタリとくっついたタプの顔が写ってた。

タプの目は私の手元を見たまま。

「指…おかしいんじゃないのか?」

タプの甘く低い声が耳元で響く。

「え!?…そ…そんな事ないよ…大丈夫…なっ…何で?」

「鉄板に長い時間、指がついてた」

「え!!!そうだった?」

思わず口走った。
慌てて口をつぐむ。

だから…だから、こんな火傷したんだ…指の感覚が鈍いから…気づかなかったんだ…。

「やっぱり…何かあるんだね?…指…」

視線を鏡に戻すと、タプと鏡の中で目があった。

鋭い視線…でも、どこか暗い。

「あ…」

指の感覚の事は誰にも言っていない…タプには絶対に知られたくなかった。

「指は動くの…だけど…感覚が鈍くって…でも、大丈夫!先生は徐々に良くなって行くから~って」

「俺のせいだな」

「違うよ!違う…タプのせいじゃない!」

押さえられてた手を振り払い、タプと向き合う。

「違う…違うから…本当に…」

両手を伸ばし暗い目をしたタプの両頬を包む。

タプの大きな手が私の右手にそっと手を添える。

「ごめんな」

今にも泣き出しそうなタプの顔…。

「そんな…本当に大丈夫だから…」

タプは頬に当ててた私の右手を外し、
悲しそうに冷やして冷たくなった傷口にキスをした。

きっと暖かいキス…感覚が鈍くなった手ではそれを感じる事ができなかった。

*********************

ずっとヒロを見ていた。

ジヨンの隣で嬉しそうに微笑むヒロ…美味しそうに食べるヒロ…頬を膨らませたり、口を尖らせたり…ふっふっふw表情がコロコロ変わってマジで飽きないw

どんなヒロも大きな目はいつだってキラキラ光ってる。

そんな様子を黙って見ながらワインを飲んでいた。

「アツッ!」

ヒロが言葉は発する少し前から、ヒロの指が鉄板についているのを見ていた。

ん?あそこだけ熱くないのか?

他はジュージュー肉が焼けている。
そんなワケないよなっ…慌ててヒロに声をかけようとした時「アツッ!」っとヒロが言った。

席を立つヒロの後を追いかけるようにして個室を出た。

トイレ?

長い列にヒロの姿はない。

店員の一人に声をかけた。

「こんくらいの小さいショートカットの子知らない?」

自分の胸より下に手をやりヒロの大きさを示した。

「あ~、その人なら奥のスタッフ用のトイレに案内しました。火傷したって…」

「ありがとう…行っていい?」

「はい、どうぞ」

場所を教えてもらい奥へ入った。

洗面所でヒロが指を冷やしてる。

流してる水の音が止まった。

「もっと冷やさなきゃダメだよ」

「タプ!…どーしてここに?」

「いいから!もっと冷やして」

ヒロの質問には答えず、後ろから手を伸ばし、ヒロの小さな右手を押さつけながら冷水を当てる。

ヒロの柔らかい髪が顔にあたる。

冷たい…徐々にヒロの手と同じ温度に自分の手がなる。
痛いくらいだ…。

「指…おかしいんじゃないのか?」

「え!?…そ…そんな事ないよ…大丈夫…なっ…何で?」

「鉄板に長い時間、指がついてた」

「え!!!そうだった?」

慌てて口をつぐむヒロを見て確信した。

「やっぱり…何かあるんだね?…指…」

鏡の中でヒロと目が合う。

慌てて目を伏せるヒロ。

「あ…」

言いにくそうにヒロが話し出した。

「指は動くの…だけど…感覚が鈍くって…でも、大丈夫!先生は徐々に良くなって行くから~って」

「俺のせいだな」

「違うよ!違う…タプのせいじゃない!違う…違うから…本当に…」

両手を伸ばし俺の両頬を包む温度違うヒロの小さい手…。

冷たいヒロの右手にそっと手を添えた。

「ごめんな」

「そんな…本当に大丈夫だから…」

必死なヒロの顔…胸が痛い。

ヒロの右手を外し、傷口にキスをした。

俺がつけた傷…消えない傷…消せない過去…。

神様…どうか、ヒロの手を治して下さい。

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