目覚ましの音で目が覚めた。
時計を見る…。
あっ…今日は負けた…。
別に目覚ましと競争してるワケじゃないけど、大概目覚ましの鳴る5分前には自然と目が覚め、ちょっと優越感を感じながら目覚ましを止めるのが日課だった。
ん…うっ!…頭痛い…。
夕べは飲み過ぎて…ん…あんまし覚えてない。
上着は脱いでるけど、服は着たまま…。
ベッドの端を見るとジヨンが寝ていた。
私…どうしたんだっけ?
……ダメだ!思い出せない。
とりあえず、シャワー浴びて来ようかな?
そう思い、二日酔いの重い体を引きずるように浴室へと向かった。
熱いシャワーを浴びて、少しずつ思い出す…。
夕べはみんなが勧めてくれるお酒が美味しくて…。
お酒がすすむにつれ、酔って余計な事をしゃべっちゃいそうで…怖い顔したジヨンの顔が浮かんで…。
だから、黙々と勧められたお酒を飲んだ。
そうだ…それで…いい気分になったところで、踊ったんだ…。
それで…それで…その後は?
…その後の記憶がない…。
いくら考えても、その後の事が思い出せなかった。
キュッ
シャワーを止める。
あーーーーーーーーーー!
マズイ!!!!
シャワーを止めて出る時に気付いた。
着替えを持って入らなかった事を…。
バスタオルを体に巻き考える…。
さて?どうしよ?…大丈夫か?
どうせまだ寝てる…よな?
そっと浴室を出た。
ベッドを覗く…ん?
居ない!!!!
部屋を見回す。
どこ?
ガシャッ
トイレのドアが開き、眠い目を擦りながらジヨンが出て来た。
なんだ…トイレか…。
って…そんな場合じゃない!
「あ…おはよう…ジヨン…」
「お前、何やってんだ?そんな格好で…」
改めて思う自分の姿…。
濡れた髪にバスタオル1枚を体に巻いただけの姿…。
「あ…着替え持って入るの忘れちゃったんだもん/////」
「あっそ…俺、もう少し寝るから…じゃ」
ジヨンはそう言って布団にまた潜り込んだ。
*********************
目が覚めてベッドを見るとヒロが居なかった。
ん?…どこ行った?
眠い目をこすり耳を澄ます…シャワーの音…。
シャワーか…。
ふと夕べのヒロを思い出した。
細いけど柔らかく丸みを帯びた体…白くきめ細かい肌…長いまつげ…柔らかい唇…。
何であの時、男の子って思ってしまったったんだろう…。
ヒロの服装や仕草…そして、俺の勝手な思い込み…。
ヒロの柔らかい唇の感触がまだ唇に残ってる。
あ"ーーーーーーーーーーー!!!!!
どうなってんだ?このモヤモヤ…。
体の変化を抑える為にトイレに行く。
キュッ
シャワーが止まった。
カチャッ
隣の浴室のドアが開く。
平常心…平常心…自分に言い聞かせてトイレを出る。
目の前には、バスタオル1枚のヒロ…/////
細い肩…濡れた髪から水がしたたり華奢な肩と背中を濡らす。
うっ…/////
「お前、何やってんだ?そんな格好で…」
ぶっきらぼうに、そう言うのが精一杯だった。
心臓がドキドキ鳴ってる…ヒロに聞こやしないか気になった。
「あっそ…俺、もう少し寝るから…じゃ」
静まり返った体の変化が復活する前に布団に潜り込みたかった。
*********************
寝たような…寝ないような…そんな重い頭のまま帰国の支度をした。
「ヒロ!お前、支度終わったの?」
「支度って言ったって…たいした荷物ないもん」
「そっか…なぁ~ヒロ?」
「なに?」
「本当にいいのか?あっちに行って…」
「うん、こっちに未練はない」
詳しい話しは聞いてないけど、ヒロがこの場所を居辛く思っているのは伝わってきた。
「そっか…」
まさか日本で拾ったコイツと暮らす事になるとはっ…。
支度を済ませホテルの駐車場に降りると、既にみんな集まっていた。
「悪い…待たせた」
「ヒロ…ちゃん?気分どう?」
「ヨンベ、"ちゃん"はマズイ、コイツは男で通すんだから…」
「あ…ゴメン…で…気分は?夕べ、ずいぶん飲んでたけど…」
「ありがとう…大丈夫」
「ヒローーーーー♫夕べこそヒョンに襲われなかった?」
スンリのふざけた冗談に一瞬ドキッと固まる。
「なっ…何言ってんだ?お前w」
タッピョンは、俺のこの一瞬を見逃さなかった。
みんなが賑やかにスンリの冗談に笑っていると、後ろから俺の耳元で囁く。
「久しぶりの女はどうだった?」
「えっ?」
振り向いた時には、先にバンに乗り込んだ後だった。
「ヒロ、これからよろしくね。何か困った事があったら言うんだよ」
テソンがヒロに優しく声をかけている。
そう…これから、一緒に暮らすんだ…犬や猫だって拾ったら責任持って育てなきゃいけない。
俺は…人間拾っちゃったからな~…。
まだ見ぬこれからの生活を想像する事すら出来なかった。
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