南青山の「骨董通り」の正式名称は「南町通り」というらしい。
青山通り(国道246号)の南青山五丁目交差点と六本木通りの高樹町交差点を結ぶ道路で、かつては都電も通り、青山学院のキャンバス下に造られた青山トンネルが開通するまでは渋谷と六本木方面をつなぐメインの道路「高樹町通り」だった。
近くに「根津美術館」や「小原流会館」があることから骨董を扱う店が集まりいつしか「骨董通り」と呼ばれるようになった。最近は「アンティーク通り」などとも呼ばれるようだ。
一時期、広尾に住まいし仕事場の渋谷に通っていた私にとってはごくごく馴染みの深い通りだ。
いまでもこの通りを通れば必ず店内をのぞくのが和菓子の「菊家」だ。
昭和10年の創業、「利休ふやき」や夏場の「水ようかん」で知られる茶席菓子の菓匠の店だ。
この店で楽しいのはもちろん季節の上生菓子。
かなり前の写真だが、購入した上生菓子の写真が残っていた。
大ぶりの黄味時雨「瑞雲」(写真右後ろ)は一年中売っている。秋の「栗蒸し羊羹」、それにたまたまこの日が十三夜に当たったことから作られた年中行事のお菓子「十三夜」(写真手前)。
干菓子の銘菓「利休ふやき」は、同じようなものはいくらでも見かけるが、ここのものはひと味もふた味も違う。
「淡泊で美味しい」誠実な味わいの干菓子だ。
そして最中、名前は「菊かげ」という。
皮(種)はたいへん薄いが、しっかりとかためで香ばしい。
漉し餡はいかにも茶菓を扱う店のものらしく甘みも小豆の主張も抑え気味だが、量はたっぷり。
あんこ菓子を食べ慣れない人にも食べやすいものだろう。
「最中を食べる」一覧は
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