「最中を食べる!」では、これまでのところ、私自身が店まで出向いて購入できる最中、つまり東京近辺の最中を取り上げている。
京都を中心に関西圏に起源に持つお菓子が多いと思われる中、最中は江戸(東京)が発祥だという。
平安時代の歌人・学者で三十六歌仙の一人にも数えられる源順(みなもとのしたごう)の歌に「水の面に 照る月なみを 數ふれば 今宵ぞ 秋の 最中なりける」(拾遺和歌集)というのがある。
この歌から名をとって江戸中期に「最中の月」というお菓子を売り出したのが、吉原遊郭にあった「竹村伊勢」という店だという話はよく知られるところだ。時代小説をはじめ各種の本で見かける(佐伯泰英の「吉原裏同心」など)。
この「最中の月」がいまの「最中」の元祖だというのだ。
だが、肝心のこの「最中の月」がどのようなお菓子だったのかが、はっきりしない。
甘い煎餅のような干菓子だとかあんころ餅のようなものだとかという説があるようなのだが…。
まあ、いまのような皮(種)で餡を挟むような「最中」が作られるまでにそう時間を必要としなかっただろうことは想像できる。
丸い「最中の月」に対して四角いものは「窓の月」と言ったらしい。
「丸かろうが四角かろうがどうでもいいや。まとめて『最中』って呼んじまえ」と徐々になっていったのじゃなかろうかというのは私の臆測だ。
いまでは、もちろん、「最中」は全国どこにでもある。
東京のものでも何でもない。
が、一応、この「最中を食べる!」では「実際に店に足を運べる」という前提からスタートしたのでこれまでのところは東京の店だけということになっていた。
そうはいっても、もちろん私は東京以外の土地の最中も食べるし、おいしいと思うものもたくさんある。
というわけでしばらくは東京以外で知られる最中を取り上げる。次ブログへ。
「最中を食べる」一覧は
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