陣馬山登山の帰り、栃谷の尾根を下り陣場の湯にある温泉で入浴した。
ひとり1000円。ちょっと高い印象である。玄関入ると、おばさんが出てきたので日帰り入浴であることを伝え、二人分2000円払う。入浴後、何か飲みたくなると思ったので、

「飲み物の自動販売機はありますか?」

と聞いたところ、

「ここにはないんです。旅館だから」

旅館だから?と思ったが、ないものはしょうがないのであきらめたが、

「350円でジュース売りますから声かけて下さい。200円にしときますよ、立ち飲みなら」

といわれた。立ち飲み?と思ったが、入浴後に考えようとおもいとりあえず入浴。

入浴後、やはり何か飲みたくなったので、さっきのおばちゃんを探して、ジュースを買う。ウーロン茶とジンジャエールで計400円。旅館やレストラン等で見かける、200mlくらいしか入ってない細長いビンのあれである。

玄関近くのソファに座ってそのジュースを飲んでいると、旅館のおやじが近づいてきて、
「ここは飲食禁止なので」
とのこと。しかも、
「そのジュースいくらで買ったのか?」
と聞かれた。意味が分からなかったので、
「意味が分かりません。いくらで買ったか私が言う必要あるのですか?」
と返したが、結局もごもご言ってるだけで良くわからないまま行ってしまった。

たしかに、ソファ前のテーブルには、飲食禁止といったことが書いてあった。
思うに、こういうことだ。

・以前、登山帰りの入浴客が、入浴後、そのあたりでビールでも飲みながら騒いでいたことがあった
・他のお客さんの迷惑になるので、それからは、飲食を禁止した。
・ただ、旅館で通常出しているジュース(=350円)を買ってくれたお客さんに関しては、この点は大目にみようとしている。

ってことではないか。こう考えると、最初のおばちゃんの発言「立ち飲みで」が理解できる。これに反論すると、

・われわれは酒ではなく、ジュースを飲んでいただけであり、騒いでいたわけでもない。したがって、ジュースを飲んでいなかったとしても、そのソファに座っているという状況は全く

同じであり、これを迷惑と考えるなら、そもそもソファを置くべきではない。
・ジュースの販売価格に差をつけて、それによってサービスの内容を変えようというのは現実的ではない。

風呂入って着替えてすぐ帰りたいと思う客などほとんどいないだろう。それで1000円なら高すぎだ。やはり、入浴後は少し休憩したいのだ。その場合どうしても冷たい飲み物がほしくなる。このような欲求を旅館側は想像できてないのだ。


湯船の横に、大きなお風呂のふたらしきものが。
あとから確認すると、冷鉱泉で、湯船には沸かしたあとのお湯が入っているようだ。ああ、だから、沸かしたお湯を冷ましたくないわけね。。。まあ、湧出する温泉の温度が低いんだからこれはしょうがないが、働いているひとたちのサービス精神というか、客を喜ばせるためにどうすればいいのか、ということ積極的に考えることをやめてしまったその態度は、非常に残念だ。とにかく、惰性で経営するのではなく、少しでも改善できることを見つけて愚直に実践していってほしい。黙っていても登山客が帰りに立ち寄ってくれるのだ。その人たちが何を求めているか、どうしてやったら喜んでくれるのか、を常に考えて実現すれば、その人たちは、次の登山でも立ち寄ってくれるだろうし、今度は宿泊客として来てくれる可能性もあるのに、それらの機会をみすみす捨ててしまっている。

ちなみに、登山の帰りに立ち寄る客が求めるものは、たとえば、

・当然ながら、髪を洗ったり、体を洗ったりできる洗い場。シャンプー、リンスは別々のほうがベター。特に女湯には、ドライヤーが必須。
・入浴後に、少し休憩できる無料の休憩所
・冷たい飲み物(多少高くてもOK)
・最寄り駅までの送迎
・次回の登山につながる情報(近くの山に関するの情報)


などである。

以上、入浴後にジュースもゆっくり飲めない旅館の話でした。